クリスマスイブに勅使川原真衣が考える『“幸せ”って一体何!?』

クリスマスイブに勅使川原真衣が考える『“幸せ”って一体何!?』

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。12月24日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が、“幸せ”の正体について考察した。

勅使川原真衣「今日はクリスマスイブなんで、“幸せ”を考えようかなと思ってます。“幸せ”。考えてます? 普段」

武田砂鉄「幸せはあまり考えないんですよね」

勅使川原「考えてない。いいかも知れない、それ。私もそのクチなんですけども、週末出張してたので、帰りの新幹線で日経新聞を読んでおりました。
そこで記事を見つけてしまったんですね、タイトルが『脳科学で迫る幸せの秘訣』という記事でした。
何が書いてあるかというと、『脳の奥深くに幸福感に関わる部位を見つけた』という風にありまして、それ具体的には『楔前部(けつぜんぶ)』っていう部位の話のようなんですね」

武田「楔前部……」

勅使川原「そうですね。そこの活動を穏やかにすることが幸せのコツというか、幸せな人はそこの活動が活発化してないってことらしいんですね。
逆に楔前部の活動が高まるのはどういうことかというと、『心配事をあれこれ考える』などということで、『あらやだ私かな?』とか、ちょっと思ったりもしたんですけども。これ日経新聞が言ってるわけではなくて、アメリカの学術誌『ヒューマンブレインマッピング』っていうところに掲載された論文のお話だったようです。
心身ともに健康で幸せを感じていたら、それに越したことはないですよね」

武田「確かに」

勅使川原「さすがにそれも否定するほど『ひねくれテッシー(注:本人)』ではないかなと
自覚してるんですけども。ただね、『素直テッシーモード』でいっても『幸せってこれ本当に個人の問題なのかな?』っていうのはあるわけです。
特に個人の問題の中でも脳の問題とかね、心理の問題みたいに言われると『これ大丈夫かな?』って思う部分はあるような気がします。
しかも幸せ研究って進んでいるようなので、『今の方向性で大丈夫なのかな?』そんなことを皆さんと考えてみたいと思います」。

武田「幸せ研究ってのは進んでるんですか?」

勅使川原「進んでるんでございます。ポイントはですね、『“幸せ”、結構言い換えられてます』っていうところかなと思ってて。なんだと思います?
よく並列して併記されていることが多いんですけど……お得意な『ウェルビーイング(Well-being)』でございます。

武田「『ウェルビーイング』は確かによく聞く言葉になりましたけど、どういう使われ方しているのか、なんか定まっていない感じもしますけどね」

勅使川原「しますよね。心身の健康や幸福っていう風にね、『幸せとウェルビーイングは同義語だよ』って書かれてることが多いです。
そのウェルビーイング研究は大変盛んでして、日本の第一人者といえば前野隆司さん。ご存知ですかね? 昔慶応にいらっしゃった方で、今『武蔵野大学ウェルビーイング学部長』ということで、学部があるんですよ」

武田「学部があるんですか!」

勅使川原「前野さんは以前、朝日新聞の『SDGsアクション』というサイトでウェルビーイングの説明をされていました。
『ウェルビーイング研究ってつまり何なんですか?』みたいなことを記者から問われた時に、このようにおっしゃっています。
『どういう人が幸せかという研究だ』とまずおっしゃっていて、『創造性が高い人は幸せ。幸せな人は生産性が高く創造性が高く長寿である。親切な人は幸せといったちょっと意外に思えるようなものも含めて、色々な研究結果が出てくる』という風におっしゃってます。
『なるほど』と思ってですね、『現在幸せとされる人に共通する特徴を炙り出したもの。それが幸せの要件なんだ』っていう研究だと思うんですよね。
こういう要件は定義されると必ず出てくるのが、奨励されるべき言動だと思うんです。例えばね、『創造性が高い人は幸せですよ』って言われたら『はい、じゃあ幸せになりたいなら創造性を高めてくださいね』とか『生産性が高い人が幸せ』って言ったら『じゃあ生産性やっぱ大事ですね』って話になりますよね。
『それが難しいんだけど』って、ちょっと『ひねくれテッシー』は思いましたけども、特にね、私懸念していることがありまして、それはただ個人がボヤボヤ幸せって言ってるだけじゃなくて、ビジネスの文脈で非常に根を伸ばしてるんですね。
いつか、『健康経営』ってトレンドがありませんでした?」

武田「ありましたか」

勅使川原「あったんですけど、いつしかウェルビーイングがとって変わってます。
『ウェルビーイング経営』って多くの企業で掲げているんです」

武田「そんなことになってますか(笑)」

勅使川原「ウェルビーイング経営、面白いですよ。
でもね、これ掲げちゃうとやっぱり人・物・金っていうリソース、そっちに一斉に走り出してしまうので、『それで本当にいいのかな?』って思うんですね。
今日の結論もう先取りしちゃいますと、私懸念してます、不安視してます、『ウェルビーイング』とか『幸せの潮流』を。
なぜかというと当初込められた革新的な意味合い、これからご説明しますけども、それ完全に薄れちゃってるんですよ。
時代にむしろ逆行しているようなところがありますので、ちょっとそのお話をします……」

勅使川原さんの幸せに関する考察はこの後、さらに深く進んでいきます。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。

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