武田砂鉄「その話はほとんど出なくなりました」 ベネズエラ攻撃アメリカの主張を分析
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。1月12日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏と、アメリカのベネズエラ攻撃についてトークを繰り広げた。
マライ「今日のテーマは「なぜ今、原油が熱いのか」にしたいと思います。今月3日、アメリカがベネズエラを攻撃したことに関係してるわけなんですけど、そこでアメリカがマドゥロ大統領と妻を拘束してアメリカに連行しました。ちなみに、アメリカのいくつかの世論調査を見てみると、アメリカがマドゥロ政権を失脚させることに賛成してるのは、たった25%です」
武田「それしかないんですね」
マライ「結構少ない印象だったんです。この作戦の賛否は色々あるんですけど、私が本当に気になったのは、ベネズエラの国の運営と原油生産をアメリカがとりあえずやる、っていうトランプの発言だったんです。なんでだろうなあと思ったんですね」
武田「そもそも拘束した時には、マドゥロ大統領が麻薬組織の中核にいるんだと。だからこそ、こういう奴は拘束しなくちゃいけないんだってことになってましたけど、次からその話はほとんど出なくなりましたね」
マライ「今回の作戦が終わったら、次は別の麻薬ルートをやるのかなとか、そういう話もあったんですけど、いつの間にか原油の話になって、なんでだろうと思いました。で、2つのポイントがあると思うんですよ。まず、アメリカがなぜベネズエラの原油生産を狙い撃ちでゲットしようとしているのかということです。2つ目が、先週のニュース解説で、よく、ベネズエラの原油は質が悪いっていう話があったんですが、なぜアメリカは低質な原油をそんなに欲しいのか?ということも、すごく気になったんですね。
ここでちょっと歴史を振り返ってみます。トランプ大統領の主張は、アメリカ企業は1970年代にベネズエラの石油産業を築き上げたけれど、1976年に左派政権がこの産業を奪って国有化してしまった。これはアメリカからの略奪に他ならないっていうんですね。確かにベネズエラ政権は1976年に国有化を進めたんですけど、別にすべての外国の石油企業を追い出したわけではないんです。ただ、ものすごく契約条件が悪化してしまって、身を引いた企業が多かったんですね。撤退したアメリカの石油大手のコノコフィリップスは、当時の対応をめぐって今なおベネズエラ政権に対して100億ドルの請求を行ってるんです。裁判をしてるわけです」
武田「いまだにやってると」
マライ「話としては、実は全然終わってなかったんですね。アメリカの言い分って、そういう歴史があるんだなって理解は一応しました。アメリカ政権は、この件に関しての制裁をベネズエラに対して課してるんです。これは割と最近の話で2019年です。制裁の一環として海上封鎖とかをして、時々タンカーを拿捕してるんです。それは実はこの歴史とも関係しているんです。最後のポイントはなんとなくなんですけど、アメリカ側からすると、左派政権に自分のものを奪われたっていうことが感情的なポイントとしてあるんじゃないかなっていう気がします」
武田「それをまとめると、やっぱり、トランプ側が作るストーリー設定というか物語というのは、かなり用意できるということであるわけですよね」
マライ「そうなんですよ。ベネズエラは、国有化したのはいいかどうかわからないんですけど、インフラがものすごくもろくなってしまったっていう結果があります。じゃあ、質の悪い原油って、そもそも何なのかなっていうのが気になるわけですよ。実は原油の質の差は…」
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