木村草太「いじめのような閉鎖空間で起きる加害行為は加害者の認定が困難」
最近、各地で学校内での暴力動画が拡散されている。1月13日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京都立大学教授で憲法学者の木村草太がこの問題について語った。
木村「いじめのような閉鎖空間で起きる加害行為ですと、しばしば加害者の認定が困難ということが起きるわけです。いじめは子どもたちと先生しかいない密室で起きるわけですから、事実認定は困難を極めるわけです。重たい制裁を科す場合、それに比例して要求される証拠や事実認定レベルは高いものになっていきます。
刑罰を科すという場合には刑事裁判で重大な証拠がきちんとあるということが認められて初めて有罪になるわけですし、疑わしきは罰せずということが基本になります。
そうしますと重たい制裁を科しますと被害者側に求められる立証のレベルが高くなりまして、結果、相当数の問題事例が見過ごされてしまうという事態が生じる危険があるということです。実はこれはDV対策でも見られる状況です。最近読んだアメリカのDV対策の論文では加害者にきちんと制裁を科すためのルールを民法に入れたと書かれていました。それ自体はいいことなんですけれど、制裁ということになると立証のハードルが上がって、立証が困難となり、なかなか立証されない。
結果として加害事例が見逃されやすくなる。立証できなかったからシロだって方向にいきがちなんです。一方であまり重たい制裁を科すという仕組みにしていくと加害者に逆用されることも出てきます。いじめとかDVは一方的に支配をされていて、耐えかねた被害者の側が手を出してしまうということが現場ではあるわけです。その一場面だけを切り取られて加害の手段として使うこともできたりする。加害者側は気持ちの余裕がありますから、証拠集めが簡単にできたりもする。加害者への制裁をする時には実際の現場で立証できるのかという自問が重要になってきます」
番組では、この他にも木村草太がいじめ問題の加害者の認定の難しさについて語っています。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
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