消化器外科医が減少中。お腹の「がん」がすぐ手術できなくなってしまう恐れ

消化器外科医が減少中。お腹の「がん」がすぐ手術できなくなってしまう恐れ

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、1月15日の放送に元・日刊スポーツ編集局長の久保勇人が出演した。お腹の「がん」を担当する消化器外科医が激減している、将来、すぐに手術を受けられなくなるかもしれない、という問題について解説した。

長野智子「(消化器外科医の減少について)まずどんな状況か教えて下さい」

久保勇人「消化器外科医って食道、胃腸など、食べ物の通り道と、肝臓、胆のう、膵臓などのお腹の機関のがん。それから腸に穴があく、といった緊急の病気、手術が要るものを担当するわけです。日本消化器外科学会の医師は日本外科学会(外科全体)の半分近くもいらっしゃいます。担当エリアが多いということもあって。手術の症例数でも消化器外科医は年間約90万件、日本で行われる。次が心臓血管外科医の37万件なので、断トツなんですね」

長野「はい」

久保「厚労省が昨年、こういう調査検討会のまとめを発表しました。40年(2040年)を見据えた、がん医療提供体制。この中でがんの患者数は40年に106万人になる、現在(25年度)に比べて3%増えると。人口が減っているのに増えるんですね。一方、消化器外科医は10年前に比べて約10%も減少しています。ここだけが激減していて、ほかの外科医はおおよそ増加か横ばいかで推移している」

長野「平均年齢も50代後半なんですよね」

久保「だいたい60代に入ってきているんじゃないか、ともいわれます。厚労省は消化器外科医が40年には約4割減少して、必要なお医者さんの数に対して5200人も不足すると言っていて。そのために現在、提供できている手術、療法が継続できなくなる恐れがある、という警告を去年の夏に発していた」

長野「すでに自分の県で受けられない人も出てきていますね」

久保「なんでこんなに消化器外科医が減っているのか。第一はほかの科に比べて仕事が多いらしいんです。消化器外科学会理事である富山大の藤井教授によると、がんの手術に限らず、抗がん剤の治療、救急の対応、内視鏡検査、緩和ケア、ICUの管理など。こういったことも消化器外科医は、こなさないといけない」

長野「はい」

久保「なぜ、こなさないといけないか。その教授によるとそれぞれの専門家が本来、やるべきだけど、どこも患者に対して人手が不足していると。消化器外科医は自分の担当エリアの周辺部分の仕事だから、それらの仕事もできるそうなんです。そういったこともやらなければいけなくなっている、ということです。一方で激務の中の待遇ですね」

長野「はい」

久保「給料などは他のお医者さんと基本、一緒のようです。いくらハードワークしても。特に大学病院、国立大学病院なんかの場合はお医者さんとしての給料が設定されているわけではなく、文学部の先生、経済学部の先生と同じ給与体系で働いていると。早朝から深夜まで患者さんをケアしても、それに見合った給料は払われない。藤井教授ですら仕事の合間や休日に外部でアルバイトしなければ生活していけない、とおっしゃっていました」

長野「はい……」

久保「消化器外科学会が『自分の子どもに消化器外科医になるよう勧めますか?』という調査をして。『勧める』と答えた先生はわずか14%だったと。自分の子どもにも勧められない仕事、という状況になっているわけです。消化器外科医の先生たちは手術時間や難易度などに合わせて、報酬の体系を変えてくれないか、と。もっと効率的に病院や消化器外科医が働けるよう集約化したりバランスをとったりしてくれないか、ということを求めています」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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