「金を出す国は必ず決勝に」1億5000万人が視聴する国際音楽コンテストの実態とは?
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。1月19日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏と、ユーロビジョン・ソング・コンテストについてトークを繰り広げた。
マライ「本日は、『音楽は世界を救う? ユーロビジョン・ソング・コンテストの新シーズン開始』というテーマです。ユーロビジョンのような国際音楽コンテストは、国際相互理解促進効果も一応あるはず。あるいは少なくともそういう雰囲気が漂っているわけなんですけれども、果たして本当にそうなのかどうか考えてみたいと思います。皆さんは、ユーロビジョン・ソング・コンテスト、ESCってご存知ですか?」
武田「マネスキンっていうイタリアのバンドがすごく有名になって、日本でも去年かな、サマーソニックのトリを飾ったりしてましたけど。彼らなんかは、このユーロビジョンから出てきたっていうんで、結構話題になってましたけどね。
マライ「そうなんですよ。ちょっと西村さんは「ハア?」ってちっちゃい声で言ってたんですけど(笑)、解説があるんでご安心ください。ユーロビジョン・ソング・コンテスト、ESCとは、欧州放送連合(EBU)加盟放送局によって開催される毎年恒例の音楽コンテストです。世界的に有名なんですね。何がすごいかっていうと、毎年1億5000万人以上が視聴する世界最大級のコンテストなんですね。なんと今年は70回目の開催なんですよ。初回が1956年でめちゃくちゃ歴史が長い。いろいろ予選とかあって、決勝戦はだいたい4時間の生放送なんです。どこで開催するかというと、優勝者が出た国がその次の年の開催地になるわけです。だから毎回違うところで開催されて、そこからの生中継になります。誰が参加できるかというと、欧州放送連合に加盟している国だったら誰でもオッケーなわけです。現時点では56カ国です。欧州とかEUとかのワードが出てくるのにちょっと意外かもしれないんですけど、オーストラリアも参加しています。オーストリアじゃないですよ。また、カナダも今後参加するかもしれないっていう話になっているんです。日本も一応、NHKとかTBSが、完全には加盟してないんですけど賛助会員なので、日本からの参加も夢じゃないかも?っていうことなんです」
武田「オーストラリアのアーティストが優勝したら、翌年はオーストラリアでユーロビジョンをやるかもしれないんですね」
マライ「やるんですよ。だから日本も、東京とか福岡とか」
武田「可能性がある」
マライ「あるんですよ。今年のESCには35カ国が参加します。ちなみに前回は37カ国でちょっと多かったんですね。で、特別ルールがありまして、EBUに一番お金を出している5カ国は必ず決勝に参加できるっていう…(笑)」
武田「ちょっと、すでに曇り空になって。なんですかこれは」
マライ「そういう話になるわけですね。ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、イタリア、ヨーロッパの大きめな国ですね。前回はスイスでの開催だったんですけど、オーストリアのオペラ歌手、JJが優勝したので、今回はオーストリアが主催権を得てウィーンで開催されるんですね。ちなみに決勝戦は、まだまだ先です。5月12日と14日が準決勝でファイナルが5月16日になります。優勝者を決めるのは、審査員と、あと視聴者も電話したり投票して、その採点で誰が1位なのか決まるんですね」
武田「ここで優勝すると、それこそヨーロッパ全体の音楽業界が、あのバンドが1位だっていうんで、それこそ強めに売り出したりってことに繋がってくる訳ですもんね」
マライ「一応、音楽のコンテストなので政治は関係ないはずなんですけど、参加国同士がもめていることは全然ありますし、ルールに納得しない国が出てきたり、ボイコットすることもあるんです。例えば、2017年にキーウで開催されたESCでは、ロシアが参加してたんですね。歌手も決まってたんですけど、その人が以前、ロシアが不法に占拠しているクリミア半島を訪れていたことを理由に、ウクライナ当局が入国を拒否したんですね。だから参加させないぞっていうことしたわけなんですね。逆にその前の年に優勝したウクライナの代表曲は『1944』という、ソ連時代にクリミア、タタール人が強制移住させられた出来事をテーマにしたものだったんですね。一部ではこの内容が、ロシアによるクリミア半島の併合を連想すると受け止められていたわけなんですけど、そうするともう政治ですよね。とても政治的なメッセージなんですけど、それは大丈夫だったわけなんです。だから矛盾するというか、この場合はオッケーなんだけど、この場合だと参加させないぞっていう、そういうところもあるのがポイントかなって気がするんですね」
武田「その判断自体が、非常に政治的な判断、ということになりますものね」
このあとは、失格になった楽曲や新たに規制されたステージ上の行為など、ESCの実態に迫ります。トークの続きはradikoのタイムフリー機能でお聴きください。
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