「人事評価」って何? 横浜市長のパワハラ告発の件から見えて来ること。
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。1月21日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が、横浜市長のパワハラ暴言が告発された件から、「人事評価」について語った。
勅使川原真衣「今日は、先週、横浜市長のパワハラ告発がありましたので、そこを元ネタに人事評価の話をさせていただこうと思ってます。
元ネタは1月15日木曜日、横浜市人事部長の久保田淳さんが顔出しで異例の実名会見をされましたね。
山中竹春横浜市長の言動について、パワーハラスメントの疑いがあるという内容でした。そこで紹介された具体的な事例には、少なくとも次のようなものがありまして、国際会議誘致の報告をした際に『誘致できなければ切腹だぞ』と言ったりとか、書類を叩きつけてきたりとか、『裏切ったら“これ”だからな』と、指で銃の形を取って相手を撃つような……ジェスチャーも含めて『これダッサ!』と思いましたけどね」
武田砂鉄「ダサいよね」
勅使川原「そして、多分日常的な言葉として『ポンコツ』『バカ』『頭が悪い』『ダチョウ』……ダチョウってちょっと分かんないですけども、『人間のクズ』などと呼んでいたと。
翌日の1月16日に山中市長も会見でこの件について話されてますが、一部は認めるが、一部は否認して『極めて残念』という言い方をされました。
真偽はね、もちろんわかりません、友達じゃないので……なんですけども、『やったやらない』の話はしないにせよ、このニュースを見てですね、ちょっと違和感があったんですね。
それは山中さんが弁明というか釈明される際に『人事評価』って言葉を何度かお使いになっているんですよ。
山中さんは『スペックが低い』とか『頭が悪い』といった発言について、実際に会見の時にこう言いました。
『市役所職員との1対1の人事評価の場で、評価対象者を評する際の言葉として使った』と。これ、ちょっと引っかかるのは、わざわざ『あれ評価する場だったんで』っていうので おそらく、『だから仕方がない』みたいなことがセットに、文末につくんじゃないかと思うんですよ」
武田「ちょっとなんかこう、あんまりよろしくない評価を下してる時にそれらの言葉を使っただけだから、あたかも『その、前にいた職員の出来が悪かったんだよ』と言いたいことなんですかね?」
勅使川原「そういうことなんですよね。推察なんですけども、山中さん、おそらく人事評価でのある種の酷評とか罵倒みたいなもの、これに一定の合理性があると未だに思ってらっしゃるんじゃないかな、と思うんです。
で、これ山中さんだけの問題というか、妄想ではなくて結構多くて、私が組織開発の現場でもしばしば耳にします。
『評価対象者の出来が悪い』か、『出来が悪いから強く言わざるを得ない』とか、『むしろ悪いのは向こうだ』みたいな言い方をする方がいるんですけども、やっぱりこれ『人事評価の認識としては、かなり危ういぞ』という指摘を今日はしたいと思います。
っていうのも、このパワハラ告発、『言った言わない』を超えてですね、人事評価の話までしっかり揉んでおかないと、今後もしかすると百条委員会みたいなものが設置されるかも知れないですよね。
そうじゃなくてもそれなりの追求がされるはずですけども、人事評価は隠れ蓑にするんじゃないかなと。人事評価とか評価っていうと『結構自然と公平にやってるんだろうな』と思いやすいんですけども、実はそもそも権力勾配を前提にした危なっかしさがあると思っています。
できるだけ納得性高く行われるべきものだというのは共通認識だと思いますし、私もそれは否定はしません。
よく人事評価のことをね、『フラットな』とか『公平に』とか、『事実ないしは数値に基づく客観的な指標で』とかいう言い方をします。
それはそうだとは思うんですけども、そもそも論で権力勾配を前提とした評価者・非評価者っていう非対称な関係にあるっていう点は、強調しすぎることはないと思うんですよね」
武田「この人事評価っていうのは、例えば会社で勤めている方は、その会社の中の人事評価がこういう感じで下されているというのはわかるけれども、他の会社でどういう風に行われているかって言わないし、あるいはそういった、僕みたいに会社に所属しているわけではない人間からすると、なんか人事評価っていうものがそもそもどういう風にやられているのがスタンダードなのかさえわからないから、こういう風に市長が『いやこれ人事評価の時に、割と厳しく言ったんですよ』って言われると、『じゃあなんか結構ろくでもない職員がいたら厳しく言う時もあるのかな?』って思ってしまいがちではありますよね」
この後も、勅使川原真衣さんによる人事評価についてのお話はまだまだ続きます。
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