「異例ずくめ、衆議院選挙公示!」
文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。
文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。
2026年1月27日、衆議院選挙が公示され、12日間の戦いの火ぶたが切って落とされた。
「責任ある積極財政」で「強い経済」を掲げる高市政権の評価とともに、物価高や安全保障などの政策をめぐる各党の主張が問われることになる。
異例ずくめ
通常国会冒頭解散は、1966年12月の佐藤栄作内閣による「黒い霧解散」以来、60年ぶり。
解散から投開票までの日数は16日と戦後最短。
さらに衆議院議員の在職日数は454日で、内閣の助言と承認により天皇が行う7条解散では最短。
1月解散は、1955年の鳩山内閣、1990年の海部内閣の過去2回のみで、今回、36年ぶりとなる厳冬期の選挙戦とまさに異例のオンパレードだ。
立憲民主党と公明党が解散直前に新党を結成したことも異例の動きだ。中道結成により、選挙戦の構図も変わったからだ。また、わずか半年前の参議院選挙では敵同士、し烈な戦いを繰り広げてきたにもかかわらず、電撃的な新党結成。二大政党制への動きが加速するのか、政界再編のうねりが起きるのか、それとも・・・・・・。選挙結果次第で永田町はおおきな渦に巻き込まれる可能性もある。
票が読めない
「こんな選挙は初めてだ」「未知の選挙」と与野党関係者が口にする。
急な解散、新党結成、野党乱立の中、大義らしい大義がないままの解散で、国民に何を問うのかわからない混乱状態のまま選挙戦に突入した。
高市総理が解散に打って出たのは、支持率が高いうちなら勝てるという判断があったのだろうという見方が大勢だ。しかし、新党・中道の結成で目算が狂ってしまった。26年にわたり支援を受けてきた公明党の支持母体 学会票をこともあろうか立憲に奪われてしまったからだ。自民党の閣僚経験者は「厄介な選挙になった」とため息をつく。
学会票は、小選挙区ごとに1万から2万票あるとされる。全部とは言わずとも半分とられるだけで約30の選挙区の勝敗がひっくり返る事態となるからだ。
一方、立憲側幹部は、連合と学会という巨大な団体を確保したとほくそ笑む。しかし過去26年間連立を組んできた自民党と公明党は、地方議会でのつながりは依然、強い。同じ会派を組んでいるところも多く、来年の統一地方選挙を控え、今までの関係は無視できないという地方も存在するため、楽観視はできない。
中道関係者は「公明党が与党だったから集まった票がある。野党になったので一定程度離れるだろう」。さらに約13年間握った国交大臣のポストも失ったことで、全国にちりばめられた建設業界の団体票も期待できないと分析する。
自民党関係者は、「学会票を得たとしても全部じゃない、(立憲民主が過去、一部で支援を受けていた)共産党票は失う。行ってこいだ」と指摘する。
高市総理の支持率は解散で微減したとはいえ、依然として女性や若年層で圧倒的な支持を持ち、その影響は無党派層にも及んでいる。この高市人気の賞味期限がいつ切れるのか・・・・・・。
昨年夏の参院選で躍進した参政党、国民民主党の勢いによっては、票の行方をさらに流動化させるだろう。票読みも未知の世界のようだ。
国民民主のスローガンは前回、前々回「手取りを増やす!」。今回はそこに「もっと」という言葉を添えた。国政選挙で3回連続、同じスローガンを掲げるのは異例。「手取りを増やす」という訴えに手ごたえを感じ、議席倍増を狙う。
現有3議席の参政党は約190人の候補を擁立。議席10倍増を。
与党入りした日本維新の会は、関西以外の選挙区で議席をどこまで増やせるのかが注目される。
その他、れいわ新選組は、山本太郎代表が健康問題で議員辞職。山本代表不在の選挙戦でどこまで集票できるのかが課題だ。
その他、共産党と保守党、減税・ゆうこく連合は現有議席からの積み増し、チームみらい、社民党は衆議院での議席獲得を目指す。
12日間の選挙戦が始まった。有権者は何を頼りに日本の未来を選択させられるのか。難しい判断を迫られそうだ。

