「中道代表選挙 暴風雨の中の船出」
文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。
文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

中道改革連合の新代表に選出された小川淳也氏に笑顔はなかった。
49人の所属議員の投票で、小川氏は27票、階猛氏は22票獲得。足し引きすれば、わずか3票動けば階氏が勝っていたかもしれない。
旧公明系の中野洋昌元国交大臣は代表選後、小川新代表について「明るくて元気いっぱいなところにみんな期待したのではないか」。
また54歳の代表が選出されたことについて74歳の斉藤鉄男前共同代表は「野田さん(前共同代表)や、私よりも若い力で中道を育てていく期待に胸を膨らませた」とどちらも小川新代表に期待を寄せた。
時代遅れ


惨敗した衆院選で、携帯電話の5Gにかけて「5爺」と揶揄された中道立ち上げメンバー。その1人、野田前共同代表は11日に行われた議員総会で「どうしても時代遅れ感のあるコンビだったかも」と語っていたが、衆院選の投開票日、ラジオへの生出演で「今、聴きたい曲は?」と問われた野田氏がリクエストしたのは河島英五氏の「時代おくれ」だった。
野田氏は68歳、斎藤氏は74歳。新代表の小川氏は54歳とずいぶん若返ったが、党内からは「明るさがあっても重みが足りない」という指摘もある。
党の再建という重い責務を小川氏が担えるのかどうかその手腕が試されることになる。
疑心暗鬼
まずは一致結束。最優先で取り組まなければならない。しかし党内からは「このまま中道にいて大丈夫なのか」・・・衆院選後、連日こんな会話が立憲出身の当選者、落選者の間で交わされている。
選択肢は3つ。中道を離党して無所属になる。2つ目は離党して何人かで新党を結成。最後3つ目は国民民主党など他党に入ることだ。代表選の前日、島根1区から出馬した立憲出身の亀井亜紀子氏が中道を離党し、立憲に合流する可能性を示唆したことで、動揺はさらに広がっているようだ。
中道に残る道もあるはずだが、「次の選挙で旧公明側の比例優遇はないという明確な担保がなければ選択肢にはならない」という厳しい声もでている。
公明系の候補を比例で優遇した不満も色濃く残っている。「次の国政選挙では全員平等が原則」を訴える立憲系の議員がほとんど。その要求に野田氏は明言をさけたことで、疑心暗鬼はさらに強まっているようにも感じられる。
資金不足
公示前……から大幅に議席を減らした中道が受け取る政党助成金も激減する。参議院側に残った立憲には、まだ潤沢とは言えずともまとまった資金があるが、違う政党になった今、そのお金は簡単には渡さないと立憲関係者はいう。元立憲に所属していた衆議員の数に応じた配分はあるかもしれないが、それも選挙の総括が出て、参議院側の態度が合流か否か、決まってからになると、中道の資金は春ごろまでしか持たないという声も出ている。
新代表は、中道から出馬した落選者についても支援する考えを示しているが、落選者は「党の態勢を維持するだけで精一杯。おそらく活動資金なんてもらえないだろう」と肩を落としていた。
風前の灯
野田前共同代表は11日の議員総会で「せっかくともった中道の種火を消してはいけない」と強調。新代表のもと、大きく燃え上がらせてもらいたいという思いを込めた。しかし党の一部からは、「新体制で船出しても、もはやドロ舟。暴風雨の中を漕ぎ出すようなものだ」と険しい道のりを指摘する声がある。
党内結束を誓い、決死の覚悟で臨んだとしても、待ち受ける特別国会で存在感を示すことができなければ党勢拡大にはつながらない。衆議院では野党第1党を維持したが勢力は49人。単独で内閣不信任決議案や予算関連法案を提出できなくなった。また衆参合わせると国民民主党の方が人数は多いという現実も突きつけられる。さらには議席が3分の1以下になったことで、質問時間も減らされる。つまり見せ場も少なくなるということだ。
種火はもはや風前の灯のような状態だ。その火をもう一度、大きく燃え上がらせることができるのかどうか、中道には険しい道のりが待ち受けている。

