「はたしてこれは健全と言えるのか?」勅使川原真衣が「批判」を「悪口」と呼ぶ社会に一石を投じる!

「はたしてこれは健全と言えるのか?」勅使川原真衣が「批判」を「悪口」と呼ぶ社会に一石を投じる!

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。2月18日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣がメディアや社会、学校などで起こる「批判」と「悪口」の違いなどについて分析した。

勅使川原真衣「やっぱりね、批判を悪口と呼び始めたこと、私、気になってます。砂鉄さん、昨日(2月17日)ね、『大竹まことゴーデンラジオ』でも話されたと思いますけども、ちょっと違う着眼点からお話ししてみたいと思います。
自民大勝・中道大敗の総括、いろいろ出てると思います。その中でやっぱり気になるのは『中道がいくら自民を批判しても、いい大人が悪口を言ってるようにしか聞こえなかった論』ですね」

武田砂鉄「なんかそういうの、結構色々なところで出てますね」

勅使川原「産経新聞の記事は有名かと思いますけども、『「他人の悪口ばかり聞きたくない」が今回の選挙結果 批判型野党とオールドメディアの終焉』とか……野党って批判するものなんですけどね。あと、日本テレビ系列の番組で、南海キャンディーズの山里亮太さんが、似たような趣旨のことを『他責』っていう言葉とか『揚げ足取り』という言い方で語っていらっしゃいました。
つまり、批判って、直ちに後ろ向きであると。後ろ向きで他責で、人の話ばっかりしていて、『要するにこれ悪口だよね』っていう構図のようなんですけども、いかがでしょうね?」

武田「世の中、この政治の話だけじゃなく、色々なものに対して批判して、それを検証して改善してきたってことの歴史の積み重ねによって、生活っていうのは改善してきたわけですけどね」

勅使川原「そう思います。なので『批判』を『悪口』って呼ぶことによって、我々得るものと失うものがあるはずですので、今日は『悪口』と『陰口』の違いなんかも参照しながら、空気を解剖してみたいと思います。
社会学の観点から見ますと、まず悪口っていう言葉はすごく興味深いラベリングだと思います。なぜなら、悪口といった瞬間に、その発言の内容の検討であるとか、構造の分析、事実の確認は切り離されます。『それって悪口だよね』っていうのは、新手の論破ですよね。もう議論が強制終了しちゃうと。つまり、批判を悪口と呼ぶことで守られるもののひとつっていうのは、今権力を持っている側にとっての快適さであるとか、秩序に他なりません。
ただ、お気づきの通り、『悪口ばかりでやだネェ論』は、内容じゃなくて態度を問題にしてますよね。私、勝手に呼んでるのは『人としてどうなの論法』と」

武田「『人としてどうなの論法』……」

勅使川原「『人としてどうなの系の話』が最近多いような気がするんですけども。政治までも人格化して語っていいんでしょうか。もとい、これ政治の話だけではないっていうのがポイントで、日本社会を広く覆っている価値観だと言えると思います。
ちょっと昔の話で言うと、学校どうでした? 先生か親御さんね。先生では恐縮ですけども、日本の学校でね、『いい子』ってどういう風な子だったか、ちょっと私なりに整理しますと、まずね、文句言わない子。文句言うとダメです。あと小学校でよくあったのが、『いいですか?』って聞かれて、『いいです!』って言うんです」

武田「あれ、やっぱり嫌ですよね?(笑)」

勅使川原「違うと思います(笑)。そういう意味で、空気を読み、周りに合わせるっていうのがすごく大事でしたよね。
あとは、途中で『負け筋だな』と思った時とか『これちょっと違うな』って思ったら、やめるってことはあんまりできなかったですよね。『最後までやり抜く子』みたいなのが、教育目標にもなっているケースが多いので。
つまりここで言う『いい子の基準』というのは、自分の頭で考えたかどうかとか、自分の心がどう動いたかとか、そういうことじゃないってことなんですよね。周りとの調和がまずもって優先されると。波風立てずに円滑にことを進めることが、正義だとされている。これが日本の「態度主義」と呼ばれるものです。『態度が評価の第一義になっている』ということですよね。
この学校での望ましい行動というか規範というのは、やっぱりバカにできなくて、その後の社会も支配しています。だって、政策の矛盾であるとか、権力の問題点、制度の欠陥、批判すると、もう直ちに『悪口ばかりで感じの悪い人』って言われません? それで一蹴されちゃうと、不当な構造を問えません。
そうするともう、気づいた時にはね、これ指摘されると、指摘するともう『あの人感じ悪いよね』って言われちゃうんだったら、やっぱり控えるじゃないですか。止められない決定が積み重なっていくんじゃないかっていうのが、最大の懸念です。これ、失うものだという風に思っています」

この後も、勅使川原真衣さんによる的確な考察はまだまだ続きます。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。

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