ミラノ・コルティナ冬季オリンピック、裏で多くの「つばぜり合い」が起きていた
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、2月23日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。ミラノ・コルティナでの冬季オリンピックが閉幕したことを受け、同大会と政治との関連について解説した。
長野智子「(ミラノ・コルティナ五輪について)選手たちのすばらしい活躍が報道されています。政治ジャーナリストの角谷さんの視点からは今回のオリンピック、いかがでしたか?」
角谷浩一「夏もそうだけど、冬のオリンピックはロシアが強豪国なんです。ロシアの選手が予定どおり出ていたら、だいぶ相関図は変わっていたかもしれない。IOCは今回、ロシアとベラルーシの8人を、個人の資格で参加してもいい、と言った。ただヨーロッパのメディアは、ロシアの参加者のうち4人は政治的な発言があって問題ではないか、と。ロシアが関わること自体にものすごく厳しい目が向けられたんですね」
長野「パラリンピックだとロシアとベラルーシが出ることを認められて、ウクライナは開会式をボイコットする、と言われています」
角谷「パリ(2024年夏季)もIOCは当初、認めたけどヨーロッパの各国から猛反発を受けて。やはりダメです、となって。こういう参加の仕方が続いている。ウクライナ侵攻もあるけど、陸上競技での国を挙げてのドーピングもあって。解除にはなっているものの尾を引いている、といわれるんですね。なぜロシアはいま出られないの、という議論になるとき『これがこれでこうだから』というのはフワッとしている」
長野「うん」
角谷「一方でイスラエルの参加はどうして咎められない、という議論が起こる。そういうことをスイスの放送局で批判した解説者がイスラエル政府から『聴いていますよ』みたいに言われて。裏でのつばぜり合いはたくさんあるんですね」
長野「開会式でもイスラエルにはすごいブーイングが起きました」
角谷「ウクライナの選手がヘルメットに戦死者24人のイラストが描かれていた、と。日本の報道は着用を認められず失格となった、という冷たい原稿が多いけれど、実際はそんなことない。IOCの会長は『私を含め、誰もがメッセージそのものに反対しているわけではない』と言っている。力強い追悼のメッセージである、と。競技の場でどのように対応するか、という解決策を見出すことが課題だったけれど、見つけることができなかった、と。じつは競技の前に、お父さんと選手本人と、会長は20分間、会っているんですね」
長野「ああ」
角谷「説得したけれど、自分は意志を貫きたい、としてボイコット(を選んだ)。IOCは妥協案を持っていて。競技前後のヘルメットの提示は構わない、競技中は黒い腕章をしてはどうか、と代替案を出した。それでも断っている、と。失格になった、というニュースとはだいぶニュアンスが違うと思う。IOCの会長はインタビューで涙を流しているわけです」
長野「女性の新しい方(カースティ・コベントリー会長)ですね。オリンピック憲章で政治的なメッセージは禁止になっているんでしたっけ」
角谷「そうなんです。今回、日本の選手が世界中の選手と様々なかたちでコラボしている。彼らはたぶん、世界中の遠征でまわっているとき、いつもの顔ぶれがいるわけです。そこに国境や国旗など(の違い)はなくて。同じ苦労をしているよ、という話をしているかもしれない」
長野「そうですね」
角谷「一方でヘルメットには、選手だった人たちが徴兵で亡くなっていることの無念さを見せたい、と。それが認められなかった、というのを見ると、簡単なことではありません」
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