『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 定年後は10万円のローンが3万円に？　残価設定型住宅ローンの仕組み

残価設定型住宅ローンを引き続き解説

残価設定型住宅ローンについて、前回に引き続き解説をしていきます。

家の「残価ローン」が始まる！　でもそれって一体何？（大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ）

前回は、残価設定型住宅ローンとは、「残価保証」と「新型リバモオプション」という二つの特徴をもった住宅ローンのこと、というお話をしました。

一つ目の残価保証とは、事前に設定した時期（残価設定月）以降は、いつでもローンの残高で買い取ってもらえること。

二つ目の新型リバモオプションとは、残価設定月以降、ローン返済額を半分以下に減らせるローンに借り換えられることです。

賃貸に出したときの価値が担保に

残価設定型住宅ローンは、家を賃貸に出したときの価値を担保にローンを借りています。

賃貸の価値を担保にすることのメリットはいくつかありますが、
１）かなりの長期間、価値が下がらないこと
２）地域によって価値の差が出ないこと
の二つが挙げられます。

順番に見てみましょう。

建ててから時間が経過した物件でも、家賃は下がらない

家を売却する場合、家の価値はどんどん下がる一方です。
「親から相続した家を売ったら、土地代でしか売れなかった」なんて話を耳にされたことがある方も多いのでは。

一方、賃貸に出す場合、家が安心して住める状態にある限り、そこまで家賃に差が出ないことが多い。

皆さんも、実際にSuumoなどの物件情報サイトを見てみてください。「築15年のアパート」と「築50年のアパート」で、家賃はせいぜい2〜3万円程度しか変わらないと思います。

家賃の相場は物件のクラスで決まっている

さらに、地域による差もそこまでばらつきが出ません。

これも、実際に物件情報サイトを見てみればお分かりいただけると思いますが、全国どんな地域でも、家賃の相場は大きく動きません。
たとえば、ワンルームなら3万円から10万円、ファミリー用物件なら8万円から20万円というように。

売却ではもちろん、地域差が非常に大きく出ますね。

賃貸価値で、人生100年時代にしっかり対応

残価設定型住宅ローンは、20年後の家の価値を、新築で購入した時にある程度正確に把握している必要があります。

賃貸価値で家の価値を見積もることで、長い人生に合わせた住宅ローンサービスを作ることが可能になったのです。

さらに、残価設定型住宅ローンで家を実際に賃貸に出す場合は、JTI（一般社団法人　移住・住みかえ支援機構）が家の運用を行います。

JTIは、運営に国の基金が設定された非営利機関です。
家賃の支払いに滞りがあったり、空室が出たりしても、オーナーへの家賃支払いが続く特徴があります。

普通に賃貸で運用するよりも、ずっと担保として安定していることから、この「夢のローン」開発に踏み込めたというわけですね。

そんなわけで今回は、残価設定型住宅ローンについてお話ししました。

なお、残価設定型住宅ローンの概要については、前編の記事をお読みください。
家の「残価ローン」が始まる！　でもそれって一体何？（大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ）

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介してい
ます。制度等の利用時には、必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」（JTI）では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。