スペシャルウィークなのに……でも今回しかできない!? 「貧乏」曲特集!

スペシャルウィークなのに……でも今回しかできない!? 「貧乏」曲特集!

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9月3日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「貧乏」でした!

鷲崎健「今回のテーマはこちら、『貧乏』!」

久保朱莉「スペシャルウィークなのになあ(笑)」

鷲崎「仕方ないんです(笑)! きょう(9月3日)は麒麟の田村裕さんの誕生日でいらっしゃいます。憶えていますか、『ホームレス中学生』という本が大流行しました」

久保「公園に住んでいた時期がある、みたいな」

鷲崎「そうそう。失礼かとは思いますが、今回しかできないと思うので、お届けします!」

♪「NO MONEY BLUES」/BEGIN

鷲崎「BEGINさんは三宅裕司さんの『いかすバンド天国』、いわゆる『イカ天』出身バンドのひとつです。『平成名物TV』という番組があって、(イカ天は)その1コーナーでした。FLYING KIDS、JITTERIN'JINN、たま、BLANKEY JET CITY……も出身バンドの有名どころですね。

1989年2月から始まった番組なので、昭和から平成への変化とほぼ同時に始まった番組でした。僕は関西に住んでいて、関西でやっていなかったのでリアルには知らないんですが、新しい価値観で新しいスターをつくっていこう、という風潮みたいなものがとてもあって。ちょうど『ザ・ベストテン』や『オレたちひょうきん族』もこの年に終わっています。

新しい時代の中で、いろんなバンドが出てきたんですけど、奇抜なファッション、いままでにないようなメッセージ、歌い方、編成みたいなものがあった。その中においてアコースティックでブルージーなバンドというのが逆にウケたのかな……?

沖縄、石垣島出身の3人組で、出てきたときも沖縄弁のままで、朴訥さみたいなもの(があった)。番組で最初はからかわれもしたけど、演奏が始まったら審査員からメチャメチャ高い評価が。新しいことにもチャレンジしながら、キャラクターもそんなに変わることなく、30年以上、現役でいらっしゃる」

久保「こういうブルースも出されていたんだなと思いました」

鷲崎「もともとハードロックをやられていたらしいんですけど、どうも合わないな、ということで変えたらしいですね(笑)。続いての曲、こちらも懐かしい、っていうかきょうは全部新しいです(笑)」

「お金」コンセントピックス

鷲崎「国立音大付属高の同級生だったメンバーで形成したバンド。1984年のポプコン(ヤマハポピュラーソングコンテスト)でグランプリを受賞して翌年デビューだから、85年の音源なんですけど、全然古さを感じないですね」

久保「感じないです!」

鷲崎「とても『いま感』があるというか。ポプコンで『顔』という曲でグランプリをとって……僕と同じぐらいの世代だと知っている人もいるかな。あなたはとてもいい人で、脚も手も長くてやさしい人、だけど顔がキライ、顔がキライ……。あまりにセンセーショナルだったので、それで憶えている方も多いかと思います」

久保「今回の曲もすごかった!」

鷲崎「この当時、お金をテーマに歌うというのがなかなか難しかったというか。80年代って決して、いまみんなが思うほど明るいだけの時代でもなかったし、2万円風呂なしアパートみたいなのも当たり前に存在した時代でもある。

お金をテーマに歌うときって、『あいつはお金を持っているけど、持っていない俺には心があるんだ』みたいな、お金を敵視した、お金がないことをロマンチックに、あるいはコメディというかパロディにした歌ぐらいしかなくて。割とこういうふうに、お金がないことをシリアスに歌うということはなかったんじゃないかな?

演奏も相まって、この時代においてメチャメチャ新しいし格好いい歌だったんじゃないかと思います。続いてこちらを聴いていただきましょう、まんまですね(笑)」

♪「びんぼうワルツ」/MOJO CLUB

鷲崎「1987年にMOJO CLUBはインディーズデビューして、89年にメジャーデビューしていて。メジャーデビューする前、ライブハウスへ、たぶん88年にすごく観に行っていたと思います」

久保「思い出のバンドなんですね」

鷲崎「途中に『時給700円のバイト見つけた』。前後の歌詞から考えても、割のいいバイトだったという感じですね」

久保「全部聴くと恋愛映画を1本観たような、すごくいい気持ちになりました」

鷲崎「そうなんです。『びんぼう』なのにね(笑)。忌野清志郎さんの『夜をぶっとばせ』というラジオ番組のアシスタントをしていたのが、メジャーデビュー前だったんですね。僕はそれをきっかけに知って観に行っていたので。お次も古い、そして関西のロックファンは良く知っているんじゃないかしら?」

♪「みんなの願いはただひとつ」/上田正樹と有山淳司

鷲崎「『ぼちぼちいこか』という、この二人でつくった、関西を代表する名盤があるんです。ラグタイムに大阪弁を乗せてリアルを歌うというか。1975年のアルバムで、東京では、はっぴいえんどがアメリカ西海岸の音楽をどういうふうに日本語に乗せるか、みたいにやっていた……そう言い切ってしまうのもアレですけど。

そのとき関西は関西で、関西弁で何か、自分のリアル、リズムみたいなものをどう歌に乗せるか、みたいなものがあって。この曲は昭和12年、『若しも月給が上がったら』というヒット曲がありまして、それが元ネタで。こういうのを使って、自分たちのストリートの音楽、大阪ならではのタフさ、そういうものを歌った名盤となっております。最後に短い曲ですが、もう1曲聴いていただきましょう」

♪「借りたお金は」/高田渡

鷲崎「高田渡さん、お金の歌いっぱいあるんですけど。高田さんの貧乏は吟遊詩人の貧乏なので、お金がほしい、お金がほしい、と歌いながら、お金そのもののシステムから逃げ出そうとするような。システムの内側と外側の境界線上を酔っ払ってふらふら歩いている、みたいな痛快感、爽快感、危うさみたいなものがありますね」

 

「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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鷲崎健のヒマからぼたもち

鷲崎健のヒマからぼたもち

日 14:00~16:00

漫画や音楽・ファッション・スポーツなど、じっくり見つめ直すと人生が豊かになるかもしれない、という様々な「趣味のカケラ」をリスナーと共有し、“余分な時間…

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