【出雲駅伝直前】早稲田大学・花田勝彦監督　レース前日取材

――今回どのような意識で臨んでいますか？
「チームとしてもチャレンジといいますか、経験も踏まえて、選手たちには全日本とセットと。今回走らないからというわけではなく、出雲を走らないメンバーもチームとして全日本まで考えた時に、明日(出雲駅伝)が終わった後に記録会を走る選手もいますし、レガシーハーフマラソンを走る選手もいます。セットでこなせていけたらなと思います」

――菖蒲(敦司、4年)選手が補員に入っているのは？
「なにかあったら菖蒲が走ります。佐藤(航希、4年)も今日はポイント練習で全日本に向けて調整をしていて。佐藤は絶好調だったので本当は使いたいなという気持ちはありましたけど、チームのことを考えて1年生への経験をしました」

――あくまでも1年生の経験を重視されての起用ですか？
「8人ほぼ横並びだったので、誰を選んでもいける状況だった。いろいろなことを踏まえて1年生を起用しました」

――メンバー的にはいい意味で迷えた？
「そうですね。工藤(慎作、1年)、長屋(匡起、1年)も合宿では常にチームの上位にいましたし、練習の消化状況はトップ5に入ってくる。逆に上の(学年の)3人は遠征に行ったりなので、元気なんだけどあんまりここで無理はさせたくないなと。佐藤は9月の中旬に海外遠征行ってますし、菖蒲もユニバ（ワールドユニバーシティゲームズ)に行って、夏合宿も遅れてやってきていますし、消化して疲労はあると思う。実力はあるので選手層が薄かったら使っているんですけど、厚くなってきたので彼らを休ませることができるメンバー構成になっています」

――工藤、長屋はどんな特徴の選手？
「工藤に関しては、パッと見て強そうに見えないけど強いという(笑)。走るとめちゃくちゃ強くて、どこにそんな力が…というような。工藤も普段はそんなに強そうには見えないんですけど、走ったら強さを見せてくれます。逆に長屋は『ド』が付くほど真面目。練習日誌も細かく書いてくれて、トレーニングを組み立てていく選手。夏まではやりすぎで貧血もあったんですけど、夏をこなして慣れてきた。練習でも先輩の前に出てチームを引っ張る存在になっているので、彼らが3、4年になった時にエースになってほしいという思いも踏まえて今回エントリーしたのもあります」

――2人とも長い距離はいける？
「そうですね。2人とも7月の士別ハーフマラソンを走っています。天候も悪くて風も強い中で、最後長屋は工藤を抜いて上がってきている。高校の時は駅伝で強い選手だったので、大学初めての駅伝で今の力がどれだけ通用するのか試してほしいと思っています」

――長屋選手はアンカーに入っていますね？
「アンカーは他に誰も1年生がいないので、本人はプレッシャーを感じているかもしれないですけど、将来日本代表を目指すのならば、そういったプレッシャーも踏まえてチャレンジしないといけない。本人には失敗を恐れず思い切ってやれという話はしています」

――長屋選手は士別ハーフマラソンからもう一段レベルアップしている？
「そうですね。夏は本当に強かったです。直近の早稲田記録会も疲労がある中で5000mを走って、その後に練習でもう一本走っている。きっちりこなしているので、非常にいい感じかなと。ただ他の大学も非常に強い選手が多いので、1位はどこにいるのかを今回のレースで確認してほしいなと思います」

――目標は？
「3番以内を目標にはしていますが、まずは5強を崩す。どこの大学からも早稲田という名前は出てこないし、他のチームの眼中に入っていないので、まずはそこに入っていけるチームになりたいなと思います」

――会見後にジョン・フルツ監督(アイビーリーグ選抜)とお話されていましたね？
「現役時代にあの方も出雲駅伝を走られたとのことでその話と、早稲田の瀬古(利彦)さんだったりをご存じとのことで。私もGMO時代に海外遠征で向こうのスタッフと仲がよかったりもするので、あまり話せない英語で話しました(笑)」

◆文化放送スポーツスペシャル　第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走実況中継◆
2023年10月9日（月・スポーツの日）　13:00～15:30
解説：上野裕一郎（立教大学陸上競技部男子駅伝監督）
実況：斉藤一美アナウンサー（文化放送）
◆聴き方いろいろ◆地上波FM91.6/AM1134　radiko　インターネットラジオ