「今年の漢字」から見る日本経済を憂う。「実質賃金が19ヵ月連続マイナスというタイミングで増税する発想になるのが謎だ」

「今年の漢字」から見る日本経済を憂う。「実質賃金が19ヵ月連続マイナスというタイミングで増税する発想になるのが謎だ」

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12月13日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、今年の漢字の話題と、国民の実質賃金が19ヵ月連続マイナスと言うニュースについて意見を交わした。

森永氏「今年の漢字が『税』って、最初ジョークだと思った。

2023年の世相を一文字で表す「今年の漢字」が税金の「税」に決まった。これは日本漢字能力協会が京都の清水寺で昨日発表したもの。1年を通じて増税議論が活発に行われた他、インボイス制度など税にまつわる話題が続いた点が理由として挙げられ、「税」に最も多くの票が集まった。「税」が選ばれたのは以前もあり、消費税が8%に引き上げられた2014年以来2度目となった。

森永康平「僕、たまたま仕事の合間にスマホをパッと開いてXを見たらこのニュースが流れてきて、最初はジョークだと思ったんですよ。結構ネットの世界って、嘘の……わざとじゃないですよ、引っ掛けようとしてジョークでふざけたニュースを流したりすることがあるじゃないですか。そのパターンなのかと思ったら、NHKから何からちゃんとした媒体も流してるから、『あ、事実なんだと(笑)』 まあ、でもね、過去にも選ばれたことがあったってことで、その時は増税を実際にしてたわけですから、やっぱり岸田総理は減税を発表したにもかかわらずこうなっちゃうって言うところに、打ち出し方が下手くそなんだなって思いますね」

寺島尚正アナ「国民全体が税への関心が高かったわけですけれども、2023年10月の毎月勤労統計調査における、名目賃金・実質賃金の結果が出ました。前の年の同じ月に比べ、名目賃金がプラス1.5%で22ヵ月連続プラス。一方実質賃金はマイナス2.3%で、19ヵ月連続のマイナスとなりました。森永さん、この結果はいかがですか?」

森永「やっぱりこれ、物価上昇に賃金上昇が追い付いていないので、消費サイドで見るとマイナスなんだと。今、実質賃金のマイナスが19ヵ月連続ってことでしたけども、家計調査を見ても8ヵ月連続で消費はマイナスなんですね。明らかにみんな節約しているって言うのが、実感とかもそうだと思いますし、経済統計でもわかるわけですよ。僕はスーパーにほぼ毎日行くんで、自炊している関係上。やっぱり職業柄あんまり良くないなと思いますけど
商品棚で何が売れてるかとか、他のお客さんはどういう買い物をしているかとか、ついつい目で追っちゃったりするんですが、明らかにスーパーのプライベートブランドが売れてたりとか、何割引きって言うシールを貼った総菜から先に売れてったりするのをを見てるんで、実生活の感覚と、仕事柄見てるプロ経済のデータが一致していて、こう言う状況を考えると、今このタイミングで金利を引き上げようとか、増税しようとか言う発想になるのが本当に理解できないと思いますけどね」

寺島「そんな中、IMF・国際通貨基金の報道官が、日本の景気回復は続くと予想した上で、『2%の物価目標の持続的な達成がはっきりすれば、日銀は短期金利の引き上げを準備するべきだ』と明言しました。この発言はどうですか?」

森永「いや、だから僕も別にね、『景気回復はしていく中で、しかるべき時が来れば金融緩和は解除したらいいと思います』と。別に『ずっと減税しとけ』とか『ずっと緩和しとくべき』と言う気はまったくなくって、しかるべき時には増税すりゃいいし、金利を上げたらいいじゃんと思っていますけど、『ポイントは今なのか?』って話なんですよね。で、結局今までの日本の実績……これはもう、誇るべき実績ではないんですど、やってきたことを見てみると、景気が回復してきて、このまま行けばって言うタイミングで大体今までは利上げしたり増税したりして、回復するって言うところの腰をバキッと折ってきた実績があるので、
そうするとまさに今がやりそうだなって言うタイミングでこう言う要人の発言が出たりするわけですから、歴史は繰り返すと言うか、学ばないなって思いますね」

寺島「繰り返して欲しくないんですがねえ」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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