「妖精」は「神」を超えるのか -箱根駅伝 城西大学取材後記

「妖精」は「神」を超えるのか -箱根駅伝 城西大学取材後記

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12月18日、城西大学の合同取材がオンラインで行われました。

今シーズンの城西大学はまさしく「台風の目」大躍進のシーズンとなりました。
留学生のヴィクター・キムタイ(2年)が関東インカレの5000mと10000mで二冠。更にキムタイは出雲・全日本ともに区間賞の活躍。
5年ぶりの出場となった出雲駅伝ではキムタイの活躍もあり過去最高の3位に。距離が伸びた全日本大学駅伝でも3区キムタイ、4区斎藤将也(2年)が区間賞の走りを見せ5位入賞。共に大学の過去最高順位を更新しました。
その出雲・全日本共に最長区間のアンカーを担ったのが山本唯翔(4年)。押しも押されもしないチームの核です。
山本唯翔は第99回大会の5区、区間賞を区間新記録で獲得。山道をひょいひょいと上る様子から「山の妖精」と櫛部静二監督に命名され、注目を集めました。
かつて箱根路を沸かせた「山の神」ではなく「妖精」山本唯翔は、99回大会のレース後は2区への挑戦も示唆していましたが、このチームでやる以上は一番いい状態で試合で結果を出せることが自分の役目であると覚悟を決め、3度目の箱根の山に挑むことを決意しました。
今シーズンの山本唯翔は、夏に中国で行われたユニバーシティーゲームズで銅メダルを獲得。世界との戦いを経験し、これまで国内のレースで終わっていた目標を「世界で結果を出せるように」と上方修正、世界での経験を胸に更なる成長を遂げました。
山本唯翔本人に「山の妖精」という名前について聞くと「前回大会、山の妖精という名前はインパクトがあったみたいですけど、最後の箱根駅伝では初代山の神である今井正人さんの記録(81回大会=1時間09分12秒)に挑戦したいと考えている。神になれるかはわからないけど、どんな名前であってもみんなが覚えてくれる名前が付けられたら良いんじゃないかと」と、「山の神」に挑むと宣言。
当時は函嶺洞門のバイパスなどは無かったが、ほぼ同じコース・距離を走っていた「神」を超えることで、チーム目標である3位入賞に貢献するつもりです。

写真提供 城西大学男子駅伝部

現在の城西大学の4年生は、1年次に箱根駅伝でシード権を逃すと、2年次はまさかの予選会落ち、3年次に予選会からシード権を取り戻しました。
第98回大会の箱根駅伝出場権を逃した後、目標を「第100回大会での総合3位」と掲げ、鍛錬を積み、2023年シーズンの躍進に繋がりました。
1年半かけてきた強化の集大成が、100回大会での結果、そして101回大会以降でのチームの立ち位置に繋がってくるはずです。

写真提供 城西大学男子駅伝部

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