【箱根駅伝】150周年プロジェクトの集大成とは 立教大学

【箱根駅伝】150周年プロジェクトの集大成とは 立教大学

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12月17日、立教大学の共同会見が新座キャンパスで行われました。

2024年に創立150周年を迎える立教大学は150周年プロジェクトの企画として「第100回大会の箱根駅伝出場」を掲げていました。
予定から1年前倒しの99回大会に予選会を通過。史上最長ブランクとなる55年ぶりの箱根駅伝出場となった前回大会は全ての区間でタスキを途切れさせることなく、18位完走という結果を残し、第100回大会の目標は「出場」から「シード権」に変わりました。
その前回大会最も注目を集めたのは当時の上野裕一郎監督。中央大学のエースとして箱根路を沸かせ、「日本一速い監督」として、監督兼現役のランナーとして選手と共に走る指導方法が話題となりました。

しかし、2年連続出場、そしてシード権獲得の足掛かりとなる10月の箱根駅伝予選会、直前に上野裕一郎監督の不祥事が発覚し、突然の解任。大きな衝撃が広がりました。
それでも立教大学は予選会を6位で通過。選手たちは衝撃、プレッシャーをものともせず、たくましく成長していました。
ここからはいかにして選手達が予選会通過、そして箱根駅伝に向けて前を向いて進んできたかを紐解いていきます。
まずはエース・関口絢太選手の言葉を紹介します。
「監督が変わって、一緒に走ってくれていたのは自分としては大きく変わった部分は感じませんでした。マネジメント的にはトップが、信じていた人がいなくなって柱を一本失った部分はあって、モチベーションの低下は難しかったと思うが、主力中心にここに揃ってメンバーは背中で、結果でみせてくれた。その点では、下の選手達もモチベーション高くやってくれたのかな」

立教大学 関口絢太選手(4年)

関口選手の言葉を借りれば、「柱」を一本失ってなお立ち続けたのが今の選手達です。
もうひとつ関口選手の言葉を紹介します。「(上野前監督は)自由にやらせてくれる人だったので、監督がいなくなったから自分で練習ができないという選手は少なかった。そこは前監督が残してくれた練習、ひとりひとりが考えて走るというのは良い方向に働いた」
2年生の吉屋佑晟選手は「キャプテン中心になって、立教は割と自主性をもって自分で取り組む形が多いので。あまり監督がガチガチこうしろ、ああしろと言ってやるタイプではなかったので、自分の練習にはあまり支障は出ていないかなと感じました」と取材に答えてくれました。
選手達は支えてくれた柱を失って自立する力、自信を得たようです。
自立する選手主体となった立教大学は監督交代を機に更なる成長を果たしています。

エントリー選手の選考やオーダーも選手が主導。その中心には原田昭夫総監督が「大黒柱」と評する中山凜斗(4年)がいます。
原田総監督曰く、「彼の凄さは部員の皆も認めている。大黒柱としてやってくれているので『今度は2区行ってみる?』と訊いたら『いや、適性は絶対に國安(広人=2年)の方がいいですよ。僕はコース適性なら9区なんです』と返してきた。本当にチーム全体のことも各選手のこともよく見えている。ほぼ僕と8~9割が一緒。とにかく信頼できる男なので区間配置は任せている」と、全幅の信頼を寄せています。

見つけました。今の立教大学を支える「柱」

予選会について中山選手は「調整面でやれることはやってきていたので、あとは走るだけという状況だったので、そこまで個人的には不安はなかった」と振り返ります。
選手の自主性に加え、折れなかった大黒柱が立教大学を第100回大会に導いたのです。

最後に原田昭夫総監督の共同取材での結びの言葉を紹介します。「彼らは全員が私の立教大学の後輩。絶対的に信用している。その信頼感だけで付き合ってきた。私の言葉がどれくらい彼らに響いたかわからないが、彼らも大変なことが起きたぞ、という中で責任や自律性を次第にもってくれたと思っている。僕たちもびっくりした部分で、彼らがもがく姿を見てきた。最後は君たちがやるしかない。予選会から2か月経って毎日こんなに早く時間がなくなるのかと実感している。1月2日に向かって、150周年を目指してやってきた」
江戸紫に大きな「R」のアルファベット一文字のユニフォームは伝統校の証。
150年紡いできた歴史と伝統が立教大学の強さそのものです。

監督、スタッフ、マネージャー、全員でチーム立教です。

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