ダイバーシティだけではいけない!?『仕込んだ後は、信じて待つ!?』発酵に学ぶ人的資本経営」

ダイバーシティだけではいけない!?『仕込んだ後は、信じて待つ!?』発酵に学ぶ人的資本経営」

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2024年4月29日、5月6日の浜松町Innovation Culture Cafeは、京都のインキュベーションオフィス「GROWTH京都河原町」のオープニングセレモニーとして開催した浜カフェ出張編。『仕込んだ後は、信じて待つ!?』発酵に学ぶ人的資本経営」をテーマに、アサヒグループホールディングス特別顧問の泉谷直木さん、同志社大学大学院ビジネス研究科教授の井上福子さん、発酵食堂カモシカ代表取締役の関恵さんをお迎えしました。本題に入る前に、最初は、それぞれの視点から今回のディスカッションの前提を色々伺いました。

入山:井上さんに伺いたいのですが、人的資本経営ってどう考えればよろしいですか?

井上:人はコストではなく、育てればよい働きをしてもらえるし組織も成長していけるという考えなのだと思います。発酵に似ているのが、成長・変化があるというところですかね。

入山:この人的資本経営を実践してきたのが、アサヒホールディングスの泉谷さんじゃないかと思うんですが、経営者として人的資本経営ってどのようにお考えですか?

和谷:日本の場合、キャリアの開発を企業に任せてしまった。ところがここへきて、企業もコストから資本に考え方を変える。資本は投資をすればリターンが得られる。人材もこのような位置づけに変わってきますので、ここができるかどうか。色んな企業が、リスキリングをしながら、会社全体の利益をどのように上げるか、ここが重要だと思っています。

入山:それでは、ここからは人的資本と発酵に関連があるんじゃないかということで、発酵の専門家からお話を伺いましょう。関さん、改めてこの発酵食堂カモシカ がどのような会社か教えてもらえますか?

関:発酵がとにかく面白いというのを広めようとしている会社です。一つのキーワードとして、プロデューサーとコンシューマーを足した「プロシューマー(生産消費者)」という言葉を使います。生産消費者をいかに増やせるかというのを意識しています。台所に発酵を取り戻していかに、発酵食品を作るかって言うのが、私たちの目指す一つの指標にしています。

入山:井上さん、いかがでしょうか?こういうキャリアの方。

井上:素晴らしいです。私も、今回のお話を伺った時にザワークラウトを作ったんです。ドキドキしながらキャベツを切ったのですが、全然発酵しなくて。発酵しない理由としては、腐敗、もしくはキャベツを洗いすぎて乳酸菌が表面につかないっていうのがありました。そこで、「本当にダメだったら使ってください」という方法として、2%の塩水を入れるというものがありました。これで、発酵し始めたんです。プクプク泡が出てきて、触ると温かいんです。「生きてる!人と一緒だな」と思いましたね。

入山:僕、素人なので、そもそも「発酵」が何なのか、教えてもらえますか?

関:発酵とは、微生物が作り上げる有機物を分解しエネルギーを作る、ただの生命活動なんです。彼らの作ったものを預かる、それが発酵ということです。

入山:大きな生き物で考えると、有機物を食べて排泄したり活動しています。微生物はそれをやっていると。

関:そうです。それをやってくれているから、発酵食品を食べると消化が良い、あるいは栄養価が増している。複合的な関係になっているのも発酵の特徴だなと。ちなみにお酒が、最古の発酵食品だと言われています。

入山:このお話、泉谷さん、いかがでしょうか?

泉谷:色んな説はありますが、お酒は何故できたかわからないんです。だから、魅力的なんです。

入山:分からないから、魅力なんですね。

ここから、いよいよグッと議論が深まります。発酵と人的資本経営の意外過ぎる共通点とは…



本日のお客様
泉谷直木さん
1972年アサヒビール株式会社に入社。その後、執行役員グループ経営戦略本部長、常務取締役、専務取締役をなど経て、代表取締役社長に就任。2011年よりアサヒグループホールディングス株式会社代表取締役社長、2018年には代表取締役会長、2021年より、現職のアサヒグループホールディングス株式会社 特別顧問に就任。

井上福子さん
日本企業の勤務の後、留学を経て、複数の国際機関および大手外資系企業に勤務。外資系企業では、部長職、人事本部長職等、要職を歴任。国際原子力機関の人材計画課長、上級人事担当官を経て現職に。人的資源管理と組織開発およびリーダーシップ育成がご専門。

関恵さん
北海道大学、スウェーデンへの留学を経て、医療福祉大学にて修士課程を修める。その後、IBMビジネスコンサルティングサービスを経て、医療系コンサルティング会社へ転職。2011年、株式会社発酵食堂カモシカを起業し、発酵食品の製造販売事業、飲食事業、ワークショップ事業を展開。第3回京都女性起業家賞最優秀賞の受賞をはじめ、これまで数々の賞を受賞。

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浜松町Innovation Culture Cafe

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