
災害時 命を助けるトランシーバーとは…アイコム 森見真弓さんに訊く
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお届けしています。
台風や豪雨、など大地震などの災害が起きた時に必ず使われ、命を助けることにつながるトランシーバー「無線機」
今週から3週にわたってアイコム株式会社のエンジニア 森見真弓さんのインタビューをお送りします。
アイコムはトランシーバーを開発・製造販売する企業で、世界100か国以上に製品を輸出しています。その製品力の高さは広く認められ、アメリカ国防省やカナダ政府機関、国連などへの納入実績もあるそうです。
いまやスマホの時代とも言えますが、2011年の東日本大震災の時、甚大な被害を受けた被災地ではスマホが使えず、拠点での連絡のやりとりはトランシーバーが使われていました。
森見さんは「スマホは便利だがこのような災害時には停電やアンテナの倒壊で通話できないことがある。トランシーバーは無線機同士で直接通話をする。どんな状況でもバッテリーがあれば通話ができるというのが大きな特徴」と話します。帰宅困難地域に一時帰宅する人達もトランシーバーを使って連絡を取っていたとか…。
森見さんがこれまで開発に携わってきたものは、例えば「消防専用のトランシーバー」や「防災無線」。製品の中のソフトウェア(アプリケーション)部分を担当されてきたそうです。「消防のトランシーバー」ではデジタル信号処理、音声やデータをよりきれいに正確に送るための技術、例えば雑音を取り除いてクリアにするなどの手助けをしていらしたとか。
なぜアイコムに入社したかというと…
大学院時代に「超小型の人工衛星」を作って宇宙に飛ばしたそうですが、その時にも人工衛星と地上との通信にアイコムのトランシーバーが使われていたそうです。
また「災害時にアマチュア無線家が無線機で連絡をとってくれたおかげで命が助かった」というニュースを見て「誰かの役に立つ製品が作りたい!」とアイコムに入社されたそうです。
こどもの頃からものづくりが好きで、小学生の時には「ミニ四駆」のパーツを秋葉原に買いに行っていたとか。
きょうの「防災アワー」聞き逃した方はradikoでぜひお聞きください。
来週は森見さんの大学院時代の話や2年間休職して青年海外協力隊としてタイで活動されていた話などをお送りします。
どうぞお楽しみに!
GW後半は気温が高めとなりそうです。最新の予報を確認してください。
(↑ 気象庁HPより)
気象予報士・防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子