
「コメの店頭価格2000円」実現のために何が必要?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、5月26日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。農林水産省が備蓄米放出を随意契約方式にし、コメの店頭価格2000円程度を目指すと発表した件について解説した。
長野智子「まず(お米の)『店頭価格2000円』は実現すると思いますか?」
二木啓孝「むりくり実現すると思います。小泉農水大臣が言っているように、備蓄米を中間の集荷業者や卸売業者、すべて飛ばして小売スーパーにおろして、というかたちですね。では随意契約というのは誰が扱うか、というと1トン以上のコメが扱える大手小売、つまり大きなスーパーですね。あとはネット販売。だいたい50社ぐらいにそうして備蓄米を渡していこう、と。言ってみれば中間マージンをすっ飛ばして渡しますよ、ということ」
長野「はい」
二木「その大手小売となるとスーパーのチェーン展開です。備蓄米は玄米ですから、精米する機械と、一定の温度の備蓄する倉庫。相当限られてきます」
長野「けっこう冷やした倉庫がないと困るんですよね」
二木「そういう意味でハードルは高いですよ。この前、(小泉さんが)楽天の三木谷会長と会って『ネットでも販売します』と。三木谷会長は『ネットで精米機と備蓄米をパッケージで売ります』と言うんです。精米機、持っていますか?」
長野「ないですよ……。玄米の状態で来て、精米機も買う。それか近所の精米所があれば、と。東京はなかなかないですよね」
二木「地方だとコイン精米機がいっぱいあるんですが。私も玄米を近くの精米店に持っていったけど、すごくイヤな顔をされて(笑)。500円払いましたけどね」
長野「量も少ないですからね」
二木「備蓄米ですから、一般の流通ではないんですね。備蓄米は、この問題が起きる前が91万トン。すでに31万トン出したから、あと60万トン。全部出せるのか。小泉さんは8月までに30万トン、場合によってはさらに放出する、と。60万トンすべて出したとしましょう。国民の消費量は月に50万トンなんですね。2000円のコメが大手スーパーやネットで置かれるけど、その横に4200、4300円のコメも並ぶ、ということなんです」
長野「本体の値段はまだまだ下がらない」
二木「あくまで玄米の備蓄米が出るということであって、一般のものは出ない。で、なぜコメが高いかということですが。去年は新米が出始めたころ農家は5キロ1600円で農協、あるいは収穫業者に出して。農協、集荷業者は9月に1792円で卸売に渡します。集荷業者は5キロで200円ぐらいしか儲けていない。そこから先に卸売業者が複雑な経路を使って輸送して我々消費者に届いたのが4018円」
長野「複雑な経路とはなんですか?」
二木「大手卸売から小さな卸売に移っていって、袋を変えて精米して輸送して、というね。農家から消費者に渡るまでの中間経費って2400円ぐらいかかっているわけ。これが高いか安いかはさておき、石破さんが今後、5キロ3500円にする、となれば次の方法しかない。農家からさらに買い叩いて安くするか、中間経費をとっている業者に大幅な利益減を指示するか、その分の補助金を出すか」
長野「最初のはないでしょうね」
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