
村尾信尚「選挙最優先で年金制度改革案が振り回されている」
基礎年金を底上げする法案が自公立で大筋合意した。5月27日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が、この問題について語った。
村尾「少子高齢化が進んでいくと保険料を払う人は少なくなっていくのに年金を貰う人がどんどん増えていく。これだと制度が破綻する。だから制度が破綻しないように保険料が少なくなっていけば、それに応じて支給額も減らしていこうということになっている。特に基礎年金の減額が大きくなると予想されていたんです。そこで政府は長期的なことを考えて今から手を打っておかなくてはいけない。就職氷河期世代で正規社員になれなかった方は多くいます。そういう方々はそもそも厚生年金に入っていない。基礎年金だけの手当では苦しいだろうということで、将来基礎年金の額が減らないようにサラリーマンが積み立てている厚生年金の積立金の一部を将来的に充当して基礎年金の額を埋めていこうとしていたんです。基礎年金というのは半分は消費税で賄っています。ですので年金の保険料と消費税を増やしていって困っている人を助けようと厚生労働省は描いていたんです。しかし厚生年金の積立金を流用するのはけしからんという声がSNS等で出始めていたり、消費税増税につながりかねないということで、自民党は参議院選挙の前に厚労省のアイデアを封殺していったんです。しかし、これは選挙の問題ではなく次の世代の問題だから、しっかり選挙の争点にすべきなんです。自民党があえて隠しておいたこの問題を立憲民主党が『あんこの入ってないアンパンじゃないか。中身の入ってない年金改革案は許せない。しっかり議論しよう』ということで、今回、立憲民主党が提案したところ、自民党は単独でいくのは大変だけど、立憲民主党も乗るというのであれば、選挙対策でダメージはないということで賛成したようです。本当に選挙最優先で年金制度改革案が振り回されている。今のところ、中長期的な観点を入れようということでまとまりつつある段階です」
番組では、このあとのコーナーでも村尾信尚が年金制度改革案について語っています。もっと知りたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
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