
マスクVSトランプ非難の応酬 専門家が「矛盾する考え方」と評したのはどっち?
6月6日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏と、イーロン・マスク氏のトランプ政権批判について意見を交わした。
ボタンの掛け違いがあった
寺島アナ「起業家のイーロン・マスク氏は3日、トランプ政権が7月にも成立を目指す減税延長法案を再び批判しました。財政破綻を招くとして「この法案に賛成した者たちは恥を知れ」と糾弾しています。マスク氏はXの投稿で「申し訳ないが、もう我慢の限界だ」と切り出しました。「豚肉(利権)が詰まった法案」と、無駄な支出の多さを表現し、「醜い」とこき下ろしたといいます。下院は先月22日、減税延長法案を可決済みですが、イーロン・マスク氏は「この法案に賛成した者たちは恥を知れ。お前たちは間違っていることを知っている。知っているはずだ」と、糾弾しました。会田さん、これはどうご覧になりますか?」
会田「トランプさんもマスクさんも企業の経営者です。どうしても企業の経営者ですと収支に目が行きやすいのかと思います。トランプさんは貿易収支、マスクさんは財政収支。両方が同じ方向を向いている時にはわかりやすいんですが、貿易収支と財政収支というのは別の方向に動くこともあるので、こういうボタンの掛け違いがあったのかと思いますね」
寺島「なるほど。企業人だからこそ自分たちの感覚で収支を見てしまうということなんですね」
会田「経済理論から考えると、マスクさんが言うように、財政赤字を減らしていけば、国内の需要がある程度抑えられるので、貿易収支は改善するはずです。ただ、トランプ大統領は、貿易収支は改善したいけれども減税で国内経済を強くしたいという思いがあるので、これ実は少し矛盾する考え方なんですね。その点が、トランプさんとマスクさんのボタンの掛け違いになっているのかと思いますね」
寺島「アメリカにとっては今どうすべきなんですかね?」
会田「当然ながら、貿易収支にこだわる必要もなく、財政収支にもそこまでこだわる必要はない。経済の実態を見ながら、経済政策運営をやっていくのが正しいんですけれども、どうも収支にこだわると政策は捻じ曲がっていくと。これは、日本が財政収支の黒字にこだわって経済政策が捻じ曲がっていくのと全く一緒ですね」
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