ボーネルンド社長の子育ては○○を止めない!?遺伝子×あそびで成長を考える

ボーネルンド社長の子育ては○○を止めない!?遺伝子×あそびで成長を考える

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2025年6月2日,9日の浜松町Innovation Culture Cafeは、「遺伝子×あそびで成長を考える」をテーマに、株式会社ジーンクエスト取締役ファウンダー、株式会社たづ代表取締役社長の高橋祥子さんと、お客様にボーネルンド代表取締役社長の中西みのりさんをお迎えしました。

田ケ原:「遺伝子は、私たちに何をもたらすのか」というお話をします。まず高橋さんに伺いいますが、そもそも遺伝子っていうのはどういうものでしょうか?

高橋:遺伝子というのは人の場合30億の配列があって、ATGC という4つの拡散の配列によって私達が作られている設計図のようなものなんですが、その30億の配列の99.9% 、ほとんど同じものを持っていて、それが基本的な人間の形を作っています。しかし、0.1% だけ人によって違って、それが顔や体型、見た目、体質等の違いを作っています。例えば、トランプのカードゲームの最初に配られた手札のようなものであって、手札は変えられないけれども、手札を知ることでより上手に生きることができる。人によって個性というのがあるので、遊び方の個性とかもあるかもしれないし、それをよく知ることでうまく付き合っていけば、より良い人生を生きることができる。そういうものだと考えています。

入山:なるほど。大貧民とかね「2と1が無くて、5と6しかないぞ」と普通だとこれだとダメなんだけど、ここが何枚もあったら革命を起こせる。そういうことですね。

高橋:そうですね。良い遺伝子というのはなくて、みんな違うものを持っているからこそ、価値がある。基本的に多様なものだからこそ、価値があると考えます。例えば今インスタとかで、痩せてれば痩せてるほど、かっこいい・可愛いという風潮ありますけど、それもいきなり災害が起きて食料へのアクセスができなくなった時、痩せてる人から危機に瀕していく。何が生存可能性が高いかっていうのは時代によって変わってくるので、いろんな体質の人がいるということこそが価値がある。しかも、その遺伝子はゲノムのデータベースなど見てると多様性って、こういうことなのかなというのを思っていて、絶対に誰でも珍しい配列を持っています。ただ、それが例えば希少疾患に関わってるものかもしれないし、ほとんどは何が関わっているか分かっていない。人類のマイノリティがどうだという話もありますけど、そもそも全員が遺伝子の視点から言うとマイノリティであると思います。

田ケ原:中西さんこの辺りどうですか?

中西:そうですね。私たちはまた別の観点で個性とダイバーシティを研究していて、個性や遺伝子レベルでわかること。それ以外にも私たちの中心にあるのは脳の発達とパーソナリティ人格の形成みたいなところと、それが一人一人の個性ということ。その分野を見ながら一人一人の特性に向き合って、その人たちがわかること。さらにその人たちが一緒に共生していくってなかなか難しいことがあるなと思ってます。私の個性と、娘の個性は違います。親子だからって必ずしも同じように思考するわけじゃないし、全く違うわけじゃないですか。だから必ずしも合うかと言うとそうではなかったり、それが社会だったり学校だったり、いろんな単位で個性がぶつかり合う。そういうところで共生みたいな話、それをポジティブな形でソリューションとして遊びができることはないか?と考えています。

入山:高橋さんは遺伝子は多様性をご覧になっていて、中西さんは多様な人たちをどうやって協調して交流させていくかと考えているんですね。

中西:そうです。尊重して理解し合ってというのと、多分人同士がどちらかが我慢しているとか、お互い我慢してるとかっていうのは、リスペクトにはならなくて続かない。そういうのは一体どうしたらいいのかな?っていうのは、毎日考えています。

高橋:会社経営していて思うのが、やっぱり人と違うからこそ、喜びが得られるというのもあって、他の人にはできないことは、自分にはできて、みんな違うロール、みんな違うタレントを持っていて。それがオーケストラみたいに、みんなの力みたいになっていく時に、みんなの喜びになっていくなっていうのを会社メンバーを見ているとそう思うことがあります。オーケストラも全員バイオリンだったらめちゃくちゃつまんないし、いろんな楽器いろんな音を出す人がいて自分はこのポジションの音で違う音と合わさるから楽しいとか仕事上でもそういう感じがしますね。

中西:遊びは割とその中で正解もないし、楽しく付き合える。とても自由なツールである。そこがいいなと思うけれども、個性同士がぶつかった時に、例えばお母さんの価値観を子供に押し付けてしまうとか。でも本人は悪気がなくて、苦しくなってしまうって言うのは、たくさんあるなと思っています。例えば学校という単位があって、そこで「こうやらなければいけない」という答えが1つしかなくて。でもいろんな子がいて、みんなアプローチが違うと思うけれども、決まった成功モデルがあるかのように、答えが1個あって。そしてそれにハマらないと何か外れてしまうみたいな。でもみんな違うんだから違ったアプローチがあっても良くない?っていうオルタナティブみたいなものがあると、良いのかなと。この4月から、フリースクールを私たち、立ち上げたんですけども、そこは多様性の賞賛っていうのを掲げていて、いろんな個性の元気な子たちがたくさんいるんです。

高橋:私、父親の仕事の関係で幼稚園の小学校までフランスにいたんです。当時、そこでは私が唯一の外国人だったので、「日本語ではこれどういうの?」というのをすごく好意的に聞いてくれて、周りの友達や先生たちが接してくれたので、「人と違うというのはそれだけで価値なんだな」と思って。小学校2年生で日本の公立小学校に帰ってきたら、みんな同じ色のランドセルじゃないといけないとか、当時はありました。だから、なぜか女子グループで、同じタイミングでトイレに行かなければいけないとか。謎のルールがあってすっごい、小学校の時はしんどかったですね。

遺伝子から、まさかのマイノリティのお話にトークは深まります。続きはこちらから
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本日のお客様
高橋 祥子さん
高橋さんは、大学院在籍中に、ゲノム解析スタートアップのジーンクエストを起業し、代表取締役社長に就任。2023年には、不老長寿テックスタートアップ「たづ」を設立、代表取締役に就任。研究内容や事業内容は、高く評価され、これまで世界経済フォーラムYoung Global Leadersや、Newsweek「世界が尊敬する日本人100」に選出。その他、文部科学省科学技術・学術審議会委員、東京大学経営協議会委員、東北大学ベンチャーパートナーズ社外取締役等も務めている。

中西 みのりさん
ロンドンの大学でマーケティング、インテリア・建築デザインを学び、ボーネルンドに入社された中西さん。バイヤー、新規事業担当として世界中の作り手やあそび場を訪問し、あそびと子どもの発達に関する研究、事業開発、店舗および、あそび場の企画開発を行う。その後、取締役副社長として、企画統括を経て、2023年に代表取締役社長に就任。

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