
村尾信尚「アメリカのイラン核施設攻撃は国際法違反」
イランがカタール政府の仲介でアメリカが提案したイスラエルとの停戦に合意したという。6月24日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚がこの問題について語った。
村尾「アメリカがイラン国内の核施設を攻撃したのは事実です。アメリカはイランとの戦いではなく、イランが進めている核兵器の進展計画に対する攻撃だと詭弁を使っていますが、ロシアのウクライナ侵攻と本質では同じではないかと捉えています。主権国家の中の施設を攻撃したというのは国際法違反で、国連でも議論されています。アメリカはトランプ政権の中で色々な理屈をつけてはいるものの、法の支配から力の支配に転換させつつあります。ロシアによるウクライナへの侵攻、中国の台湾への進出に口実を与えかねない不安が出てきて、ますます世界は混沌の中に陥っていくのではないかという気がします。それともう一つ、ホルムズ海峡、ここがどうなるのかが問題です。今のところイランにはホルムズ海峡を封鎖する意志はないと報じられていますが少し様子を見たいと思います。1973年に中東で紛争があった時、第一次オイルショックがありました。あの時はトイレっとペーパーがスーパーの棚からなくなりパニック状態になりました。この時、石油依存の体質から逃れていこうと当時の通産省は考え、徐々に原発が稼働していきました。50年以上前にこういったことがあったのにも関わらず、エネルギー自給率の国際比較を見ていくと、日本が主要先進国の中の最低の15%、アメリカは107%、イギリスは67%、ドイツは35%、フランスは49%。第一次オイルショックから50年以上も経っているのに、この有様。そろそろ真剣に考えた方が良いのですが、参院選を控え、各党が打ち出しているのがガソリン税の廃止。今の私たちにとってはいいことかもしれませんが、化石燃料依存を促すことになりかねない。そういう意味では荒療治が必要で、まず化石燃料の値段を少し高めにしておいて、再生可能エネルギーに変えていくことに税金を使っていかないと同じ事がおきる。参院選でも、この問題を長期的な問題として議論してほしいです」
番組では村尾信尚が、この他にもアメリカ、イスラエル、イランの問題やエネルギー問題について語っています。もっと知りたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
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