
「どういうわけか帰れない」大竹まことがナゼか事務所に戻れない探偵の小説にハマる
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 7月11日の放送は、講談社から発売中の『帰れない探偵』の著者である作家・柴崎友香氏を迎え、金曜パートナーの壇蜜とともに本の内容について聞いた。
目次
大竹「今回は『帰れない探偵』という本をお書きになりました。私は第3章の『雨に歌えば』までを読ませていただきました。面白かったなあ」
柴崎「いや、ありがとうございます」
大竹「びっくりしちゃって。なんでこんなにつじつまの合わない話に引き込まれていくんだろうと、思いつつ。どんどん、こう、ワクワクする。なんでワクワクするのかは、よくわからない。ストーリーはあるんだろうけども、そんなにストーリーにこだわってるわけでもない?」
柴崎「そうですね。探偵が主人公の話なんですけれども、探偵としての仕事もしているんですけど、殺人事件があって犯人を見つけるとか、事件を解決するのではない。もう少し身近な依頼を受けていく探偵なんです」
大竹「ご本もたくさん書かれてらっしゃると思うんですけど、賞もお取りになってますけど、こういうタイプの本を書いていらっしゃったんですか?それとも今回はちょっと別なんですか?」
柴崎「探偵っていうことで小説を書いたのは初めてですね。今回の本を出して、柴崎友香が探偵小説?と思われる方も多かったみたいなんですけれども、私自身も自分で探偵ものを書こうと思ったわけではなかったんですね。アメリカ文学の翻訳もされている柴田元幸さんが編集している『MONKEY』という雑誌があるんですけれども、そこの探偵特集の時に「何か探偵で短編を書いてください」と依頼を頂いて。私も「えっ、私が探偵?」「書けるのかな?」と思ったんですけども、私が、現代アメリカ文学を読み始めたきっかけというのが、柴田元幸さんが翻訳されたポール・オースターの『鍵のかかった部屋』という小説を含むニューヨーク三部作と呼ばれてる小説があるんですけれども、それが探偵小説という形式を使った小説というか、探偵なんだけど自分の内面深くを探して行くような小説だったんですね」
大竹「そうか、アメリカ文学。ポール・オースター」
柴崎「それを翻訳された柴田さんから「探偵の小説」という依頼をいただくのは何か、私が書くのも、なんか意味があるというか、書いてみるのも面白いかなと思いまして。柴田さんの方は、私の小説が地図とか古い写真なんかを手がかりにして、その土地とか、ある人の過去の記憶なんかを、探っていくというか、想像していくっていうような小説が多いので、それも1種の探偵じゃないかっていうふうに柴田さんは思われていたみたいで。それで依頼を頂いたっていうことで。実際それで書いてみたらすごく面白かった。ああ、探偵ってこんな面白いのかと書いてみて思いました」
大竹「物語の冒頭は、一つの街に探偵が降りるんですけども、3日ほど住んだその部屋に探偵がどういうわけか帰れなくなってしまう」
柴崎「そうなんです。開業して、探偵事務所兼自宅を持ったはずなのに、ほんの何日かで、なぜかそこに帰る道が見つからなくなってしまって。その後は、依頼者の人の家に泊めてもらったりとか、転々としながら、また別の街に移っていったりするという話ですね」
壇蜜「帰れないままなんですよね」
柴崎「家にも帰れないし、自分が生まれ育って離れた場所にもなかなか帰れないっていう。そういう帰れない探偵です」
大竹「近くのうちにまではいけるんですけど、その先に行けなくなっちゃう」
柴崎「そう、ここに入る路地があったはずなのに見つからないっていうふうに、帰れなくなって。なぜ帰れないかは、ずっと分からないままなんですけどね」
壇蜜「あとちょっとなんですけどね」
柴崎「そうですね。ここにあるはずなのに、帰れそうで帰れないっていう感じ」
大竹「そして、今おっしゃったとおり地図とかがとても詳しく出てきて、それが日本のどこかなのか、アメリカなのかイタリアなのかも、私たちにはまた分からない」
柴崎「そうですね。この10年ぐらい、いろんな外国だったり、日本の中でもいろんな場所にお仕事で行くことが結構あって。そこで見た風景だったりとか、聞いた話なんかがモデルになっていたりはするんですけれども、どこという地名は書かれていなくて、想像していただくというか、はい。それぞれ読者の方が思い浮かべる町とか、「あそこかな?」とか、あると思うんですけれども、それで楽しんでもらえたらなと思っています」
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