
排外主義・排他主義的な主張が蔓延!? ジャーナリスト・鈴木エイトが参院選の取材で感じたポイント
7月18日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、「参院選の取材で感じたポイント」というテーマで、ジャーナリストの鈴木エイト氏に話を伺った。
鈴木エイト「今日、ちゃんとお話ししたいのが、“排外主義”のようなものがテーマになってきている現状はいかがなものかっていうのがあるんですね。本来、もっといろんな議論をするべきことがあるにもかかわらず、そこがクローズアップされてしまっていて、これは本当にいま議論する、争点になる問題なのかっていうこと自体に疑問がありましたね、いろんな候補者のお話を聞くと」
長野智子「おっしゃる通りです。そのお話をしていきましょう。特に強く感じた取材っていうと?」
鈴木「いろんな政党が今回、排他主義・排外主義的な主張をしているんじゃないかって指摘をされていて、そういうところを重点的に今回は回って聞くようにはしたんですけど。発言している候補者の話も直接聞いて感触を得ながらやっていたんですけど、(候補者)当人は自分がそういう発言をしているっていう意図も意思も全くないんですね」
長野「どういう意味ですか?」
鈴木「『自分は排外主義じゃないんだ』と。『自分は政府の移民政策のこういう問題点を指摘しているのであって、優良な日本の法律を守るちゃんとした外国人はいいけど、そうじゃない人について言っているんだ』であるとか、非常に曖昧なところを言ってきていて、『そこはこうじゃないんですか?』と聞くと『自分はそうは言っていない』と。なんか逃げ道みたいなのを作りながらやっているような感じがあって、総合的に聞いてみるとどう聞いてもやっぱり排外主義に繋がるんじゃないかっていうところがあって。で、聴衆の方々もすごく反応が良いんですね」
長野「この問題に関しては?」
鈴木「えぇ。『ベトナムの人がこんなに来て大騒ぎして地元の人が困ってる』みたいなことを言うと『そうだぁ〜!』みたいな感じで声が上がったりして。その背景には、物価高とかがある中で、それを解消する捌け口として『外国人が優遇されているんじゃないか』みたいな『誰かが得をしている、ズルをしている、それは許せない。自分はこんなに酷い目に遭っているのに』みたいなそういうところをうまく利用しながら、自分の政党の支持を集めようとしているやり方自体が『本当に選挙のやり方として正しいのかな?』っていうのは、かなり疑問を抱きましたね」
長野「もちろん生活保護に関しても奨学金の問題にしても、全くのデマがSNSで広まっているけれども、本当に日本っていう国は、寧ろ外国人に対して非常に冷たい対応をとっているところが多いんですよね。そういう中で『あの人たちが自分の生活を脅かしている』って思うこと自体が全くもって違うし、そこを責めたところで自分たちの生活は良くならないっていうのは明らかなんですけどね」
鈴木「そうですね。だいぶ前の時期に在特会とかそういうところが排外主義・排他主義な主張をしていた時に、みんな結構冷めた目である程度見ていて『あれは一部のかなり偏った人たちの歪んだ主張なんだ』っていう認識があって、川崎でもヘイトスピーチの規制法もできて、社会としてちゃんとした対応を行政側もとってきたとは思うんですよね。ただ、それが今回、与党もやたら『外国人の対策については問題だ』みたいなことを言って、そっちに寄せているようなところがあって。本来やるべきは『実態はこうなんだ』と。たしかに一部問題はあるかもしれないけど、それはかなりレアケースであって、移民政策などについても何が問題かっていうところをちゃんと精査した上で『いま盛り上がって言われているのは、そういう問題とはちょっと違うんですよ』っていうところをちゃんとファクトチェックした上で指摘をしていかないと、兵庫県知事選の時も感じたんですけど、大衆誘導が容易にできてしまっているような状況がずっとまだ続いているんだなって、かなり本当に危うさを感じているんですよね」
長野「そうですよね」
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