
「参院選 歴史的惨敗、理解不能な石破続投表明」
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文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。
歴史的な惨敗を喫した参議院選挙から一夜明けた21日、自民党総裁の石破総理大臣は党本部で記者会見に臨み続投を表明した。
冒頭、結果について「国民の厳しい審判をいただいた。痛恨の極み。深くお詫び申しあげる」と謝罪した。その上で、選挙の結果を受けて「重大な責任を痛感しながら、政治を漂流させないよう、比較第1党としての責任を果たしていかねばならない」と続投を強調した。
衆参ともに少数与党となったにもかかわらず総理総裁の椅子にしがみつくためのキーワードは「比較第1党」。わずか30分の記者会見のなかで4回、この言葉を強調した。
昨年の衆議院選挙、今年6月の東京都議会議員選挙に続き3連敗したにもかかわらず続投を表明するのは、どのような言葉を弄しても有権者に理解されるとは到底思えない。
関税交渉や物価高、自然災害などを取り上げ、国のため国民のため、政治を停滞させてはいけないと続投の理由を説明されても、国民にとっては続投そのものが党の都合にしか映らないからだ。野党からはさっそく理解不能などの声が相次いだ。
立憲民主党の野田代表は、石破総理の続投発言について「だらだらとした政治をいつまで続けるのか。メドがない」と述べた上で、「おかしな(続投するための)理由を言っていた。
物価高に無策だからこういう結果がでたのに、まだ引き続きやるのか」。
また南海トラフ地震など自然災害の対応に言及したことについては「いつ起きるかわからないもの(自然災害)を続投の理由に挙げるのは説得力がなさすぎる」とあきれ顔だった。
一方、躍進した国民民主党の玉木代表は「おどろいた。衆院選、都議選、参院選と3つ連続で負けているのは企業で言えば3期連続赤字みたいなもの。誰も責任を取らないのはおかしい」。さらに、仮に続投するなら事態打開のビジョンを示して内外にメッセージを発するのが筋だと指摘、「日米交渉をどのように打開するのか、多くの野党が掲げた減税をどのように取り入れるのか入れないのか。それも示さずただ続けるというなら党内の理解も得られず、自民党が持たないのではないか」と断じた。
選挙で示した民意は明確に「石破退場」「自民党NO」だったはずだ。いかなる理由を並べようと、石破続投を国民が受け入れるとは到底思えない。
自民党内からも「続投はあり得ない」「いっそ下野を宣言するべきだった」など厳しい声が飛び交っている。
こうした声を受けて石破総理や執行部は、今月末に参院選を受けた両院議員懇談会を開く予定だ。しかし、これまで同様「ガス抜きの場」を用意してお茶を濁そうとするなら、今度こそ自民党の終焉に向けた幕が開くことになるだろう。