参議院選挙、国民重視の言動が支持を集める。イギリスの例と似ている?

参議院選挙、国民重視の言動が支持を集める。イギリスの例と似ている?

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、7月23日の放送に毎日新聞論説委員の小倉孝保が出演した。参議院選挙で見られた「日本人を大事に」と主張する政党の議席増について、海外の例を挙げながら語った。

長野智子「参院選では既存政党が議席を減らして参政党、国民民主党が議席を伸ばしたと。どのようにご覧になりましたか?」

小倉孝保「僕、2010年から2012年まで東京で、外信部のデスクをやりながらヨーロッパを担当して。そのあと3年間、ロンドンに赴任していたんですね。ちょうどその5年間がイギリスでポピュリズム政党であるイギリス独立党、UKIPというのが毎年のように議席を増やしていた時期だったんですよ」

長野「ナイジェル・ファラージ(党首)?」

小倉「はい。あのおじさんがイギリスはEUから離脱すべきだ、移民の制限をきちんとやれ、と。離脱すべきという大きな理由、1つはポーランド、ルーマニア、EUの域内からの移民が大量に入ってきて、イギリスの文化が壊されていること。もう1つはEUの高給取り、官僚がイギリスの政策まで決めてしまっている。主権を売り渡している。この主張でどんどんいっていたんです」

長野「はい」

小倉「それで毎年のように、EU議会選挙、地方選挙、総選挙……。その度に倍どころじゃないぐらい議席を増やしていたんです。今回の参政党、議席が1から14に、ですか。それを見たとき、あのときの状況が、いま日本に来ているんじゃないか、と思ったんです」

長野「きのう吉崎達彦さんが、『ウォール・ストリート・ジャーナル』でついに日本にもやってきた、と書いてあった、と言っていて。各国からすると、日本にも同じ状況が来た、と」

小倉「今回の(参議院)選挙の外国における報道を見ると、自公、石破政権が負けたというのも報じているけど、それ以上に恐らく、外国人ジャーナリストの関心は参政党にあったんですよ。いままでポピュリズムが非常に日本では抑えられてきた。既存政党がそこそこ強くて、ベテラン、職業的に長く政治家をしている人たちが動かしてきた日本でさえ、ポピュリズム、日本人を大切に、外国人を排斥する、というような言動に対して支持が集まってきた、そこにものすごく注目して見ていましたね」

長野「イギリスに限らずヨーロッパ各地で広がっていますか?」

小倉「初めかどうかはわかりませんけど、2006か2007年ぐらいにはもう、イギリスにその空気はあったんです。その少し前にいまのルペンさんのお父さんが2003、2004年ごろから力を持ってきていたし。恐らくヨーロッパで移民の問題、EUに主権をとられているものに対する反発、もっと自国の伝統、自分たちのことを先に考えよう、という動きが2000年代の半ばぐらいからかなり盛り上がってきていた。1つの終着点がイギリスのEUからの離脱だったんです」

長野「はい」

小倉「日本はイギリス、というかヨーロッパに比べたら移民、外国人の数はものすごく少ないんです。パーセンテージで。むしろ相当、コントロールしてきた国ですよね。そういう国でさえ日本人ファーストみたいな主張が支持を受ける。日本に住んでいる、僕の外国人の友人もビックリしていますよ。『残念だ』と」

長野「そうでしょうね。しかも背景が、円安で観光客がたくさん来てオーバーツーリズム、という。ヨーロッパとはまったく違う事情でこういう雰囲気が出てきた」

小倉「だって日本政府が進めてきた政策じゃないですか」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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