地元民のコンプレックスが武器に⁉地域資源をいかにウェルビーイングに繋げるか

地元民のコンプレックスが武器に⁉地域資源をいかにウェルビーイングに繋げるか

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2025年8月4日,12日の浜松町Innovation Culture Cafeは、『地域資源をいかにウェルビーイングに繋げるか』をテーマにお客様に株式会社ロート・F・沖縄代表取締役の中原剣さんと株式会社さとゆめ代表取締役社長の嶋田俊平さんをお迎えしました。

入山:嶋田さんは地域資源の可能性というと、どこに目をつけて、「この村はこういう可能性があるな」と見つけるのでしょうか?

嶋田:これ真正面から答えない感じになっちゃいますが、地域資源にあまり頼ってないんです。これまで40~50ぐらいの地域に関わってきたんですけれども、「うちの村はこんな美味しい水があるよ」「風景が綺麗だよ」とか、「こんな食べ物があるよ」とか皆さん紹介してくださるんですけども、隣の村とか隣の町にも同じようなものがあったりとか。

入山:地方は、そうですよね確かに。

嶋田:それでも「隣の村よりもうちのが美味しいとか」「こっちの方が昔からやってる」とか皆さん言うんですけど、私からすると、どの村・どの町にいてもどこが悪いではなく、どれも良いっていう。どこもご飯は美味しいし、風景は良いし。あんまり物では差別できないというか、そういった時に「モノ消費からコト消費」ていうか、「コト」の方が資源になるというか。しかも、その「コト」っていうのが、良いことや誇らしいことというより、地域の人がコンプレックスに思ってること、隠したいことであったり、課題みたいなものが実は凄い強みになるっていう。

入山:例えばどういうものですか?

嶋田:例えば山梨県の小菅村って、人口700人の村なんですけど、僕は通い始めた10年前。村の方は、県内で「どこ出身?」と言われて「小菅村」って恥ずかしくて言えなかったらしいんです。そんな小さな村の出身って恥ずかしいんですけど、私は一番心打たれたのは、「700人の村があるんだ」っていうこと。ちっちゃな村だし、700人が力を合わせて生き残ろうとしている。その村人の生き様に、一番感動したんです。そこで、それで小菅村で古民家ホテル開くことになった時に、ホテルのコンセプトを「700人の村がひとつのホテルに」って掲げて、このコンセプトがSNSでバズったんです。700人っていうのが、村人ははあんまり外に出してほしくないことなんだけども、それをあえて出すことで「すごいな!頑張ってるな!」っていう共感が生まれていたんです。

入山:中原さんどうですか?

中原:700人とか私、具体的にイメージできるんです。久米島が7000人なんで「あ、1/10だな」って700人はやっぱり相当小さいなって思います。

嶋田:そうですね。で、やっぱり数字っていうのも面白いですよね。私は小菅村に通うようになって、面白いなと思ったのは、700人の村に、全部1つずつ残ってるんです。小学校、中学校、警察署、消防署、郵便局…、地方自治に必要なものがギリギリ1個ずつ残っているんです。

入山:ギリギリ村のサイズだと。

嶋田:だから、これが500人とかだと地域に必要な機能がなかったり、一気に村が維持できなくなって、合併とかになるんですね。小菅村の強みというか、面白さは、その地方自治の最小単位が残っているってこと。だから、小菅村でできたら、逆に言うとどこでもできると言えるなと思うんです。

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本日のお客様
中原剣さん
小学生のころ、窒息しかけた体験から、酸素に興味を抱き、光合成の研究者を目指すことに。博士号取得後、ワインの醸造家や宮大工見習いなどを経てバイオベンチャーのお仕事に従事。そこで、海に生息する「藻類」と出会い、光合成を起点とした循環型社会づくりに関心を抱く。現在はロート製薬に所属し、沖縄県久米島にて「藻類」と「海」を組み合わせた循環型事業に尽力。

嶋田俊平さん
幼少期の10年間をタイ・インドで過ごし、大学院修了後は、環境系シンクタンクの株式会社プレック研究所に入社。2013年には、仲間とともに株式会社さとゆめを設立。「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉に、地方創生の戦略策定から商品開発・販路開拓、店舗の立上げ・集客支援、観光事業の立上げ・運営支援まで、一気通貫で地域に伴走するコンサルティングを実践され、今まで全国50以上の地域を手掛ける。

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