
パレスチナとイスラエルで取材、撮影。現状を伝える映画の裏側
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月28日の放送に中東ジャーナリストの川上泰徳が出演。自身が監督したドキュメンタリー映画『壁の外側と内側 パレスチナ・イスラエル取材記』について語った。
大竹まこと「『壁の外側と内側 パレスチナ・イスラエル取材記』と題した、ドキュメンタリー映画(監督:川上泰徳)が8月30日(土)よりロードショー。ユーロスペース(渋谷)から全国順次公開、となっています」
大久保佳代子「私は事前に観させていただいて。恥ずかしながら、50(歳)を超えているんですが『イスラエルと、あっちのほうで何かしているな。やだな』ぐらいの意識しかなかったんです。遠い国の話だなと。観て、現状を知れてよかったです。こういうことが起きていて、イスラエルの人たちがこういうことをしていて、と。その中でいろいろと感情を、人それぞれが持っていて、という。おもしろかったです」
大竹「いつごろ撮られたんですか?」
川上泰徳「昨年の7月から8月にかけて。1ヶ月と少し、現地にいました」
大竹「なぜ撮りたいと思ったのでしょうか?」
川上「私は1994年に朝日新聞で中東の特派員になって。イスラエルもパレスチナも30年以上、取材しているわけです。20年前にはエルサレムの駐在だったこともあって。現地は知っているんですけど、それにしても2023年10月から始まった、ハマスの越境攻撃もそうですけど、イスラエルのその後の攻撃ですね、いまだに続いている。これはやはり、考えられない。あまりにもひどい状況、ということで。いったい何が起こっているんだろうか、現地にもう一度行ってみよう、と。そう思ってパレスチナ側とイスラエル側を取材して歩いたんです」
大竹「映画の中では、新しくパレスチナの土地に入植者が来ると。自分の家や学校、トラクターで壊される。そこを周りの兵士が取り囲んでいて、呆然と見ているパレスチナの人たちが映っています」
川上「イスラエルがパレスチナを占領しているわけです。単に支配するだけではなく、入植地をつくってパレスチナ住民を排除する、ということですね。ガザで大規模に破壊していく、というのと同じことが起こっているんだ、とわかります。僕が行ったところはガザではなく、ヨルダン川西岸で、パレスチナ人側からイスラエルに対する武装闘争やそういうものはない。でもイスラエルは住民を排除しようとしている、という状況があるわけです」
大久保「そこは数年前まで観光地のようというか、普通にきれいな街だったんですか?」
川上「観光地というわけではないんですけど、パレスチナ人は羊飼いがいて、19ぐらいの村があって。そこは荒涼として、羊を飼っている場所なんですね。イスラエルはそこを軍事地域に指定して。演習場ということで。けっこう広いんですよ、その地域から住民を排除しようとしている、という状況です。そういう意味では『追われている』わけです」
大竹「荒涼とした大地に羊飼いの男と羊が手前にいて。向こう側の丘を見ると新しい入植者の家々がたくさん建っていましたね」
川上「入植地は広がっているんです。それに地域の住民が使う道路が封鎖、遮断などされて住民がだんだん生活しづらくなる。排除が進んでいるわけです」
大竹「そこをどんどん取材されていますけど、身の危険はいかがでしたか?」
川上「私が直接、取材しているときに襲撃などはありませんでした。ただやはり海外メディアなどが危害を受けることはあるんですね。そういう点は用心しながら、ということでした」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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