【お天気気象転結】線状降水帯の発生予測、適中率は20%

【お天気気象転結】線状降水帯の発生予測、適中率は20%

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文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「佳子・純子のお天気気象転結」。気象予報士の伊藤佳子記者・鈴木純子アナウンサーが、毎日にちょっと役立つお天気情報をお届けしています! この記事では全文をご紹介。

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▼9月12日配信号 担当
伊藤佳子

このところ頻繁に「線状降水帯」の半日前予測が発表されているように感じます。
しかし、実際にどれだけ予測が適中して発生しているのか……?
「線状降水帯」というパワーワード、オオカミ少年にはなってほしくないですよね。

気象庁が発表した8月29日までのデータによりますと、
今年「半日前予測」を出して発生したのは、41回中8回。つまり、的中率はおよそ20%。去年は府県単位での適中率は10%だったので、去年より確度が上がっているのです。

といっても決して高い数字ではありませんが、3時間で100ミリ以上の大雨となったのは、41回中20回と、線状降水帯が発生しなくても大雨になる可能性は高いのです。
それから、線状降水帯が発生した中で、「呼びかけ」があったのは10回のうち8回、捕捉率は80%、「見逃し」は少なくなっています。


△気象庁・資料

「線状降水帯発生のおそれ」は、やっぱり警戒感を一段強めたいところです。
発生しなければ「何もなくてよかった…」ということで、「空振り」より「見逃し」がない方がよいですよね。
しかしおととい10日朝、長崎・熊本で、線状降水帯が発生しましたが、半日前予測は出ていませんでした。
気象庁は予測精度を上げようと海上での観測強化など、様々な対策を進めていますが、予測はとても難しい…。


△気象庁観測機器「ドロップゾンデ」

来年からは発生2~3時間前を目標に予測情報を出し、4年後2029年からは市町村単位の半日前予測情報も出す方針です。
先週発生した静岡の竜巻は、風速約75メートル、日本版改良藤田スケールで上から3番目、国内最強クラスでしたが、被害の大きさにも驚かされました。
「何十年も住んでいるけど、今までこんなことはなかった…」被災地で取材するとよく聞く言葉です。
これからも経験したことがない気象災害と向き合っていくことになるのでしょう。
予測が進歩して被害が少しでも減らせますように!

気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子

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