
【アナコラム】長谷川太「この瞬間、実況していたら」
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「アナウンサーコラム」。週替わりで文化放送アナウンサーがコラムを担当しています。この記事では全文をご紹介!
▼9月26日配信号 担当
長谷川太アナウンサー
スポーツの歴史を塗りかえる瞬間に立ち会えること。
まさに仕事冥利に尽きるというもの。
ジャパンコンソーシアムの五輪派遣実況アナとして
これまでに3回の世界新記録の瞬間を実況できた。
2012年ロンドン五輪で陸上男子800mでケニアのルディシャ選手が記録した、
1分49秒91はいまだに破られていない大記録。
2021年東京五輪では競泳女子200m平泳ぎで南アフリカのタチアナ・スクンマーカーの、男子100mバタフライでアメリカのケイレブ・ドレセルのそれぞれ世界新記録の瞬間を実況できたのは、人生の宝物。
さて東京で34年ぶりに開催された「世界陸上」。
実は取材申請もしておらず、今回はゆっくりTV観戦しようと思っていたが、
大会が開幕し、TBSの初田アナや佐藤文アナたちの素晴らしい実況を聴いてしまったらもうだめだ。世界一が決まる会場の空気だけでも吸いたい。
実況アナの血が騒いでどうしようもない。
何とかチケットを確保して大会3日目。国立競技場最上階の最後方の客席から、
世界新記録誕生の瞬間を目撃した。
棒高跳び21世紀の鳥人スウェーデンの「アルマント・デュプランティス」
最後の最後3回目の試技で記録達成、その瞬間はまさに国立競技場が揺れた。
さてこの瞬間、実況していたらどうだったかな。
「人間との戦いは終わった。あとは地球の引力との戦いだ。世界新記録なるか、
デュプランティス 助走スタート!」
「6m30クリア!国立が揺れる!前人未到の世界新記録達成!」
「21世紀の鳥人がヒトの進歩に限界などないことを
東京の夜空に証明して見せました!!」・・・って感じかな(^^)
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