
元祖マルチタレント!徳川夢声にきく『ケチのすすめ』にせまる!
今回もアーカイブス資料を探訪していると面白そうな番組を発見しました!
1967年(昭和42年)11月19日(日)
午前8時半~8時45分
明日をゆたかに「ケチのすすめ」
-ケチ連盟会長・徳川夢声さんにきく-
徳川夢声といえば、マルチタレントの元祖と言われ、漫談家・作家・俳優の顔を持ち、日本におけるテレビ創成期の立役者。
テレビ・ラジオなど様々な分野で活躍された方です。
さて、この番組についてQR通信を読み進めていくとこのような記載がありました。
“ケチ連盟”なる団体の幹事長をつとめる徳川夢声老に「ケチのすすめ」を語ってもらう。
ききては八木治郎が担当。
徳川夢声さんは「ケチの根性は宇宙の大原則なり。人間もその原則から外れることなし」と、天体運行の原理から説きおこし、ケチを推奨する。
そんな宇宙の大原則にも匹敵するほどのケチについて、そもそもなぜ徳川夢声はケチ連盟理事長になったのか気になり探訪をしていくと、
その背景には、作家の獅子文六氏とのごっこ遊びにありました。
文六氏が当時五円の葉書に「貴下をケチ連盟幹事長に任ずる」と夢声に投書。
夢声もまた文六氏に「貴下をケチ連盟総裁に任ずる」と任命ごっこをしたのがきっかけでした。
たった二人だけのケチ連盟。
だが「登録されていない潜在会員は、他のどの団体より多いですよ」と自ら公表をしてないケチ会員は少なくないと気炎を上げる夢声。
また「あいつはケチだ」といわれることは日本では相当な打撃やネガティブな印象があるが、フランスなどでは「あの男はケチだ」と言えば倹約家に捉われ、おんなが飛びついてくるとも言われておりました。
加えて、ケチが悪徳とみなされているのは封建時代の愚民政策によるもの。
徳川の姓を名乗る夢声としては、先祖?の犯したあやまりを正さねば・・・と、意気さかんにケチをすすめるのでした。
当時、様々な分野で影響力があった夢声が、ケチについてポジティブな意気込みをラジオで発信していたと思うと、影響された潜在会員も多かったのでしょうか。
また、この番組を探訪して筆者も、ケチといえばネガティブな印象を受けましたが(夢声に影響されたのか?)意外とポジティブに捉えることも大事だと感じました。
今回はそんなちょっと変わった番組を紹介いたしました。
また次回も面白そうな番組を探訪していきます!お楽しみに!
執筆:アーカイブ探訪隊員 郷津
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