
中島岳志「立憲、国民、維新の連立はありえる」
公明党が自公連立から離脱し、どこが与党になり、誰が総理大臣になるのか混沌としてきた。
10月14日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京科学大学教授の中島岳志が、この問題について語った。
中島「自民党って、とにかく政権維持が至上命題なんです。特に今の時期には絶対失いたくないんです。なぜかというと安倍内閣の膿を出されちゃうから。裏金問題、森友問題、加計問題、桜を見る会、旧統一教会、色々ありましたけれど、野党が政権を獲るとなると隠してきた問題が出る可能性があります。出れば出るほど選挙に勝てなくなっていく。自民党としては何とかこれを避けようという行動原理が働くと思うんです。自民党にとって一番都合がいいシミュレーションは臨時国会の冒頭で石破内閣が総辞職をして首班指名をやる。そして第一党の総裁である高市さんが選出される。ただ自民党は過半数に全然足りてないんですよね。自民党は今196議席。過半数が233議席ですから37議席足りない。これで高市内閣が発足すると何が起きるか。これまでだったら自公政権でしたので、あと1党、野党と話がうまくいけば色んな法案や予算が通る状態だったんですけど、今、37議席を越える野党がないんです。つまり2つの党と合意形成しないといけないんです。日常で考えても1人と何とかやればうまくいくというのと、2人とも説得しなきゃいけないっていうのは全然違う。そうなると法案がなかなか通らなくなることが考えられる。そうすると自民党は間違いなく早期解散を狙ってくるんです。ですが、今解散しても自民党だけで過半数とるっていうのはほぼ無理なんです。そこで一番ポイントとなるのは野党が結束できるかどうか。立憲民主党と国民民主党と日本維新の会、この3つを足すと210議席で自民党の196議席を越えるんです。ですので立憲の野田さんは統一候補を『自分じゃなくていいですよ、玉木さんでいいんじゃないですか』という呼びかけをしているわけです。今日、立憲、国民、維新の幹事長が会談をするというニュースが流れてきています。玉木さんとしても、これはそう簡単に断れない。なぜなら『あなたがずっと言ってきた政権交代のチャンスを自らつぶしてしまうのか』って言われてしまうと、その後、国民民主党の支持率は下がっていくと思うんです。ですから成立する可能性も十分ありえるんです。ただし、これが成立すると一番困るのが自民党。自民党としては、これが成立しそうになればなるほど別の策を考えないといけない。今、ずっとそれを考えていると思いますよ」
番組では、この他にも中島岳志が今後の政局について語っています。もっと知りたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
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