「わからないことがあったら本を3冊読もう」文芸評論家・斎藤美奈子による読書のススメ

「わからないことがあったら本を3冊読もう」文芸評論家・斎藤美奈子による読書のススメ

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大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、10月23日の放送に文芸評論家の斎藤美奈子が出演。高市早苗首相の就任と、発売中の著書『絶望はしてません――ポスト安倍時代を読む』について語った。

大竹まこと「おととい、高市早苗さんが日本初の女性総理大臣になりました。素直なご意見を伺いたいんですが、いかがですか?」

斎藤美奈子「いま2つの意見が交錯してありますよね。『すばらしい、応援しています』という人と『歓迎できない、嬉しくない』という人とで二極化している。そこは分けて考えるべきで。両方、本当だと思うんですよ。日本は現状、ジェンダー平等指数が118位でね。足を引っ張っている点が、女性の政治家が少ない、政治進出ができていない、というところです。女性初の総理が誕生した、というのは基本、いいことですよ」

大竹「はい」

斎藤「大きな第一歩だと思っています。トップが女性というのは外形的な問題ですよね。でもたとえば組織や会社などで『女の部長とかって、デキないんじゃね?』『社長は無理だよ』という人が相変わらずいる。そういうとき『日本の総理大臣は女性ですけど、何か?』と言えばいい。いま小池百合子さんが都知事でしょう」

大竹「はい」

斎藤「2枚看板が女性です。2、30年前だと考えられないわけですね。外形的なことで、高市さんが総理大臣になったというのは基本、歓迎しなければダメです。しかしその先の問題として、彼女の持っている政治思想や政策がこれからどうなっていく、ということは始まっていない。この段階で予想しつつ憂いても仕方ない。軽々に答えは出せない。それに関しては政治家・高市早苗としての政治姿勢や政策などが問われていく」

大竹「うん」

斎藤「それに関しては厳しく批判していけばいい。2つは分けて考えるべきで。一緒くたにするから訳のわからないことになるんですよ。(さらに高市首相に関してコメントして)」

大竹「今回、斎藤さんは『絶望はしてません――ポスト安倍時代を読む』という御本を雉間書房からお出しになりました。どういった内容ですか?」

斎藤「PR誌の5年間の連載をまとめたものです。その時々のニュースや流行り、それに関して書かれた本を3冊紹介して。紹介しつつ時事問題を考える、という、書評と時評の間ぐらいの連載です。“ポスト安倍時代を読む”と政治(の本)っぽく見えますけど、文学やコロナの問題、ジャニーズ問題、フジテレビ問題など幅広いジャンルを扱っています」

大竹「ジャニーズ問題(の本)、『成瀬は天下を取りにいく』、『人新世の「資本論」』……。こんなに読んでいるんだ、とビックリしました」

斎藤「このために読むんですよ! 書くために読むし、私は勉強したいんです。ニュースを見てモヤッとすること多いじゃないですか。わかったような気になるけど本当にわかっているのか? と思うので。新聞や雑誌も重要な情報源だけど、単行本って少し違う角度からいくので、補強、セカンドオピニオンとしては非常に有効なんですね」

大竹「うん」

斎藤「わからないことがあったら本を3冊読もう。みんなも読んでね! というつもりで。そのときに初めてのジャンルを読むわけですよ」

放送では斎藤の著書の大ファンだという青木理(ジャーナリスト、木曜パートナー)もまじえてさらなるトークが展開された。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~午後3時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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