プチ鹿島が疑問を呈す!「石破政権と高市政権、どう違うの!?」

プチ鹿島が疑問を呈す!「石破政権と高市政権、どう違うの!?」

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。11月6日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの時事芸人・プチ鹿島が「石破政権と高市政権はどう違うのか?」というテーマでコラムを展開した。

プチ鹿島「今日は『石破政権と高市政権、どこが違うの?』っていうテーマです。『違ってるでしょ!』っていうイメージで多分捉えてる人、多いと思うんですが」

武田砂鉄「正反対だと思ってる人も多いようですね」

鹿島「色々考えておさらいしてみると、『そうなのかな?』っていうのをちょっとお話ししようと思って。
ちょうど1週間ぐらい前ですかね、中国新聞に石破茂前総理のインタビューが載ったんですよ。で、高市政権についてもコメントしていて、見出しを読むと『石破前総理、自民のさらなる保守路線に違和感』ということで、公明党の連立離脱について聞かれた石破さんが『自民党が野党で苦しい時、一緒にやってくれたことを忘れたらいかん。維新は新自由主義的』と。そして次なんです。『自民党政治がいわゆる保守の路線へさらに傾くことに、すごく違和感がある』」

武田「すごく違和感がある」

鹿島「これまあ字面だけ見ると『まあまあそうだろうな』と思う方も多いと思うんですが、ただ僕これ読んでね、保守の路線にさらに傾く違和感って『いや、石破さんも実は高市さんの流れを作ってませんでしたか?』と思うんです。
石破政権の1年間。例えばね、最近の話をすると高市総理はおととい『外国人に関わる制度の適正化など、スピード感を持って進めるように指示した』と。
例えば『在留資格の厳格審査オーバーツーリズム対策強化』『外国人による土地取得ルールの検討』などたくさんあるんですけども、ただ、これ朝日新聞が書いてるんですが『大半は石破政権の下、各省庁が着手済みのもの』。
政府関係者のコメントとして『これまでの延長線上で取り組みを加速するのが基本だ』という、『もともと石破政権がやってたんだよ、これ』と。
さらにですね、この外国人政策の厳格化っていうのは今年に入って急速に進んだ。
きっかけのひとつと指摘されているのが、在日クルド人をめぐる問題。SNSを中心に排外的な主張が広がって批判の矛先が『政府は何とか動かないのか』っていう方向に向かった。
で、今年2月の国会ですよ。政策の失敗だと追及された当時の石破総理が『ルールを守らない外国人とは共生できない』と答弁して、その後『不法滞在者ゼロプラン』というのを始めて、今年の夏の参院選では日本人ファーストを都議選の頃から言っていた参政党が躍進して、この流れは一層強まったと。
僕やっぱり都議選とか参院選現場で見たら本当にそう感じたんですよね。『あ、なんだ、石破さんも慌てて乗ってきたじゃんか』みたいな。
そうすると次のような事態になるんですよ。これ9月の東京新聞の記事なんですけども、『法律がなければぶっ殺してやるよ』っていう、クルド人に向けられるヘイトが参院選後にエスカレートしているっていう。埼玉県の川口市でクルド人の小学生が日本人男性に暴力をふるわれたと。ヘイトに詳しい専門家に動画を見てもらうと『これはヘイトクライムだ』と。クルド人への差別がヘイトスピーチからエスカレートしている。そのきっかけが、この専門家の方が言うのは『外国人権を煽るような行政や政治の動き』っていうことで、
例えばゼロプランだ日本人ファーストだって事実と違うことも言われた結果、『もう全然こういうの言っていいんだ』っていう風にスイッチを押されたんじゃないか』っていうことでね、だから『いわゆる官製ヘイトではないか』という指摘をしてるんですよね。
で、ゼロプランに関してもちゃんと言っておくと、このプランが出た時に『客観的データは十分とは言えない』という報道もされましたよね」

武田「そうですね」

鹿島「だから石破さんは保守派が進むと今はもう人ごとのように言ってるんですが『いやいや自分がもうスイッチ押したじゃん!』っていうのは僕、思っちゃうんですよね。
例えば石破さんが参院選で負けた後、『石破やめるな』っていう声もすごく上がったんですが、そういう人たちの声を見ると、まあ主張はいいじゃないですか、色々あって。
『高市さんよりはマシだろう』みたいな、よく選挙でよりマシな方を選ぶっていうんですけど、『よりマシだ論』で見ても僕はほぼ石破さんっていうのは『ザ・自民党』の中のことをやってたわけで、よりマシとも思えなくなったんですね、僕の実感だと。
で、例えば『石破さんはマイノリティを守る人だ』って言いますが、じゃあこの1年間で何をやってきたか。
例えば参院選では人権侵犯の杉田水脈さんの公認をしましたね。あれも石破政権ですよ」

武田「そうでした、そうでした!」

鹿島「で、あと自民党の西田昌司参議院議員が、ひめゆりの党の展示内容を『歴史の書き換え』と発言して、石破さんは自民党総裁として深くお詫び申し上げると沖縄に行って陳謝してましたけども、でもその西田さんの公認を相変わらず続けたのも、石破政権であり公明党であるわけです。公明党は連日離脱した後の新聞を読むと『公明らしさがなかった』っていうんですけど、石破さんも石破らしさがなかったっていう。らしさがない者同士がこういうことをやってたわけですよね。
さらに、他の政策で言うと、高額療養費制度の負担上限額の引き上げもやろうとしたのも石破政権です。もともと経緯を言うと、岸田政権が少子化対策を打ち出して、児童手当の拡充など年3.6兆円が必要とされて、『じゃあそれをどうするのか』ということで、財源ですね、高額療養費の見直しが検討されていたんです。これは石破さんになる前ですね。
ただ石破政権になって議論が唐突に、急速に進んでいったって、これは週刊文書の今年2月13日号は伝えてるんですけども、ポイントはやはり石破さんの号令の下、引き上げはわずか4回だけの会議で決まって、本当に議論できたのは2回ぐらいだと。これ厚労省の委員も証言してるんですよ。『あれだけ熟議だ熟議だって言ってた人が、全然もう話もわずかの会議だけで決めちゃってる。
『やっぱり言ってることとやってることが違うじゃん!』って僕は思ったんですよね」

武田「石破さんに限らず、総理大臣を辞めた人って割と饒舌に語って『いや実は僕、こういうこと考えてたんですよ』とか、『ここは出来たと思ってますよ』っていう風に非常に都合よく整理されて。で、日本の政治家の場合総理を辞めてもそのまま割とその党の重鎮として鎮座することっていうのが結構多いですから、なんかこう御意見番みたいになって、その総理大臣が何をやったのかやらなかったのかってことが検証されないまま、自分語りの中でうまいこと編集されるって結構ありますよね」

この後も、プチ鹿島さんの徹底的な分析は続いています。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。

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