「絵になるものは報道されたけれど…」武田砂鉄はG20をどう見たか? ラジオで議論
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。11月24日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏と、G20などについてトークを繰り広げた。
マライ「今日のテーマはインバウンド観光と外交です。今は、日中関係がすごく熱いわけなんですけど、高市さんの対中強硬発言で、ものすごくニュースが揺れていて、どこでもそれがトップになってるわけですよね。それに対して中国政府も本当にマジ切れ状態で、だからどうなるのかなと。どんどんエスカレートしていて、中国政府が中国人民に「お前ら日本の観光に行くな」といって、観光に来なくなるかもしれないので、すごく気になってるんですね。
まずは、週末のトップニュース、G20を振り返ってみようと思います。南アフリカで開催されたんですけど、日本のニュースを見てみると、最大の注目ポイントは高市首相が中国側と接近、あるいは話し合いできるか否かだったんですよね。結局、それは叶わなかった、できなかったっていう発言になってましたね」
武田「立ち話ぐらいできるのかなみたいな、そういう話もありましたけれども、それさえできなかった、しなかったということでしたね」
マライ「まあ、しなかったっていうのが、おそらく正解だと思うんですけど。要するに、このタイミングでは接近しない方がいいという判断があったのかもしれないですよね。
ちなみに、アメリカがG20に参加しなかったことは、あまり日本では話題になってなかったと思うんですけど、それには理由があって、トランプ大統領は、南アフリカで白人の農家が黒人によって迫害されていると主張していて、まあデマなんですけど、それが一応理由になっています。トランプ大統領は、もしかしたら、ウクライナ情勢とか、そこら辺に集中されてるのかもしれないですよね」
武田「トランプはもうずっと、国際会議の集まりみたいなものを、いかに形骸化させるかみたいなことをやり続けていますものね」
マライ「G7は参加するんでしょうけど、G20は「もう俺の出番はないぞ」みたいなメッセージかもしれないですし、多国間の話し合いはもう自分はやるつもりはないっていう」
武田「みんなで集まって決めたってしょうがねーよ、みたいな感じがどこかにありますよね」
マライ「なんか、そんな気もしますね。今回ちょっと興味深かったのが、開幕とともに共同声明が出たんですよ。普通だったら話し合って、週末が終わるタイミングで共同声明が出るか出ないかみたいな話なんですけど、それが、みんな集合してからすぐ出て、おやおやって思ったんです。しかも、実はアメリカ側は共同声明を出すなと要望してたんですけど、それはあまり参考にされずに出てたんです。
何が書いてあったかっていうと、再生可能エネルギーの拡大、あと気候変動対策。これはたぶんトランプ大統領が、ちょっと気にするところだと思うんですけど。あとは経済的に弱い国の債務削減だったりとか、これもアメリカを指していると思うんですけど、一方的な貿易措置に対する反対の姿勢。あと、鉱物のレアアースの世界的な供給ですね。これは米中の話になってるんですね。あとはウクライナですね。EUのニュースを見ると、ウクライナを今後みんなで考えましょうっていうのが入ってて、それが注目されてたんですけど、日本の報道を見てみると、あんまりそこら辺が報じられなくて、あらあらって思ったんですけどね。皆さんはG20のニュースどう見ましたか?」
武田「ほとんど報道されるのはやっぱり高市首相の動向。メローニ首相とハグしましたとかね。そういうような、非常にビジュアル的に絵になるものは報道されたけれども、どういう議論があったのかというのは…。トランプ不在は報じられたけども、っていうぐらいでしたね」
マライ「ここに来る途中にネットニュースを見てたんですけど、ヤフーコメント欄を見るのが趣味で(笑)」
武田「あまりいい趣味とも思えないですけどね」
マライ「(笑)参考になるっていうか興味深かったですね」
このあと、マライさんが気になったヤフコメを次々紹介! 武田さんの反応は? 続きはradikoのタイムフリー機能でお聞きください。
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