物価高騰、実質賃金の減少。来年はどうなるのか

物価高騰、実質賃金の減少。来年はどうなるのか

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、12月17日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。賃金が上がり、最低賃金の引き上げが反映されても物価上昇が続き、実質賃金が減り続けている、という状況を踏まえ、今後の物価高騰について解説した。

長野智子「物価高騰は来年、止まるんですか?」

佐藤治彦「難しいかなと。上がり続ける可能性もあるなと思います。いまの物価上昇って、いわゆるコストプッシュインフレというもので。本来、望むべき物価上昇はディマンド(需要)プルというものです。給料が上がって、みんな高いものでも買うようになって企業が儲かって、給料を上げて、みんなもっと高いものを買う。そうした物価上昇のことです」

長野「80年代のような感じですね」

佐藤「いまは天候不順で野菜が採れなくて、量が減ってしまった。それでコストがかかって値上がりする。原油価格が上がる、円安になる、物価が上がる。それはコストプッシュインフレです。じつは昨日、5年ぶりに原油価格は下がりました。ひと晩で3%も。ウクライナ戦争が終わりそうだ、といった理由で。輸入するものが値下がりして来年、ある程度、物価が下がるかもしれません。それは別としてディマンドプルまでいくかというと難しい」

長野「高市政権は今回の国会で、すごい補正予算を組んで『物価高対策』と言っています」

佐藤「それは物価高に対し、火に油を注ぐようなことでは、というのが多くの識者の見方です。需給ギャップという言葉を聞いたことがあるかと思います。ものの供給とみんなが買いたい量。これがそろっていたら需給は一緒。反対に、ものをいっぱいつくっていて、ほしい量よりもたくさんあると、ものがダブつく。だから物価が下がる」

長野「はい」

佐藤「反対にみんながほしいのに生産が追い付かないと物価は上がる。トマトが300円というのは、熊本で全然トマトが採れなかった。全体量が減ってしまったけど、みんな食べたいから価格は上がった。で、いますべてのいろいろなものの需給のギャップが、非常にバランスがとれたところまで来ています。コロナ禍はみんな買わなくなって酷かった」

長野「ええ、ええ」

佐藤「いまはバランスがとれている。たとえばお金をバッとみんなに出して『ガソリンをもっと使って大丈夫です』『電気、ガス、どうぞどうぞ』『お米券を出すので買ってください』となると、買いたいパワーが増えてしまって、ものの価格は上がっていく」

長野「高市政権は、もっと物価が上がる政策をしている?」

佐藤「全部とは言いません。でもいわゆるモノの価格を下げますよ、ということは、ただただ需要をアップさせることになるので、価格は上がるんだろうなと。さらに注目されているのが、18、19日の今年最後の金融政策決定会合で、金利を上げる、ということだと」

長野「明日、明後日ですね。うん」

佐藤「金利が上がると円高になって物価は落ち着く、と思われている方が多いでしょう。でも私は今回、0.25%金利を上げても効果はほとんどないかなと」

さらにその「効果はほとんどない」と思う理由について佐藤が解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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