外資系生保会社の巨額詐取事件。経営陣の対応を勅使川原真衣はどう見た?
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。1月28日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が先日明るみになった外資系大手生命保険会社の詐取事件の対応について語った。
勅使川原真衣「先ほど冒頭のニュースでも扱いましたけども、外資系生命保険会社大手の巨額詐取事件というのが話題になってますので、そちらを組織開発をしている者としてどういう視点で見るかっていう話をしてみようと思います。
時は2026年1月ですね、プルデンシャル生命保険で社員・元社員合わせて106人ですよ、106人が顧客498人から総額およそ31億円を……これ、保険金がどうこうってことじゃなくて架空の投資や儲け話ですね。それを持ちかけて金銭を不当に借り受けるなどして不適切に受領していたということが判明しました。
これ、いきなりわかったことではありません。もう2024年6月に逮捕者が出てるんですよね。金銭詐取で同じように。
ちなみにその逮捕者は猛者でして、1991年から……もう辞めてますよとっくに。だけども詐取を行ってきたという方でした」
武田砂鉄「30年以上やってたってことね」
勅使川原「そうですね、辞めた後もずっとやってたってことで、その後の実態解明の内部調査であるとか、お客様調査みたいなものもずっとやってくる中で、改めて明るみに出てしまった。芋づる式に分かってしまっちゃったっていうことになってます。これを受けて注目したいのは、先週の金曜日ですね、経営陣による会見が開かれました。ご覧になりました?」
武田「部分的には見ましたけど。ニュースで報じられたところはね」
勅使川原「長かったですよね。もちろんこれ許されざる巨額詐取事件でございます。プルデンシャルが全額保証すると明言は一応してましたけども、これどうなるかも分かりませんし、とりあえず全額保証すると言ってくれたからこそ、私も今日コメントできるっていうぐらいの話なんですけども、経営陣が会見で語った内容は、正直組織開発コンサルタントとしては、かなり見どころはあったように思うんですよ」
武田「見どころはあった?」
勅使川原「見どころはあった。学びはありました。
ちなみにテレ朝の記者の方でしたっけ、『あんたら反省する気あんのか!』みたいな質問を投げている方もいらっしゃいましたけども、組織開発を見てきた者としては『なかなか考えられた現状分析並びに、再発防止策を一旦は言ってるな』という感じはしましたよ。
例えば会見でこんな発言がありました。ちょっと読みます。
『過度に業績と連動する制度で金銭的利益を重視する人材を引きつけたり、入社後にそのような考えを持つ人材を生んでしまった。ビジネスモデルを絶対視し、高業績者が大いに称賛されるという組織風土があった。新契約の業績や契約の継続率、顧客満足度といった指標が高い水準を維持していたゆえに、現在のモデルを変更する思考に至らなかった』
なるほどな、という感じなんですけども、これ、ちょっと気づきたいのは、これまでこういう不祥事があった際によく言われるのは『うちの一部の社員が倫理下に問題があって申し訳ございませんでした』という形の切り捨て、よくあるんですけども」
武田「『ほとんどの人は頑張っているのに一部の人が』という言い方ですよね」
勅使川原「そうなんです。その言い方とは明らかに今回違ったんじゃないかと思うんですね。
ないしは『組織風土』という言葉も使っているわけなんですけども、ビッグモーターさんとかの件を思い出すと、組織風土改革も一辺倒だったんですよ。あの時第三者委員会も『組織風土に問題があった』ということになってたんですけども 組織風土ってね、難しいですよ。風だか土だかなんだか知りませんけど、それを改革するって難しいので。あのわかりにくい言葉にまあ逃げずに、ちゃんと一応報酬制度の改革をしっかりしていくんだってことを言ったのは、『まあ一定の見込みがあるのかな?』という風に私は見ました。
で、具体的には『フルコミッション』と言われる完全歩合制ですね、そのフルコミッションへの依存を弱めていくってことであったり、表彰制度をすごく盛んにやってきたそうなんですけども……例えば成績上位者にはハワイ旅行プレゼントとかね、ラスベガス旅行プレゼントみたいなことをやってきたみたいで、そういったことも新契約に偏重して評価してきたってことですが、やっぱりね、保険は長いので、付き合いがアフターフォロー業界では『保全活動』と呼びますけど、『保全活動をちゃんとやっていきましょう、それからコンプライアンスの遵守も評価軸としてちゃんと見ていきますよ』というようなことを言っていました。
私かねてから『不祥事のみならず世の中の問題を、個人に落とし込んでも意味ないんだよ』ということをお話しさせてもらってます。
で、今回で言うと一部の社員の倫理観があってね、言ったらもうこれどうしようかと思ったんですけど、まあ言わなかったと。また『組織不動が』って言ったらどうしようかな、変わる気ないんだなという風に思うところでしたが、『それもまあ一応違いました』という意味で、“見どころ”と申し上げていますが、『やっぱりちょっと立ち止まった方がいいかな』という点はあります」
この後も、勅使川原真衣さん独自の視点で、この事件を詳しく深く掘り下げています。
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