侮辱罪が厳罰化されて起きた変化

侮辱罪が厳罰化されて起きた変化

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、1月29日の放送に元・日刊スポーツ編集局長の久保勇人が出演した。「誹謗中傷の代償、厳罰化された侮辱罪の実例」というテーマで、2022年に厳罰化されてからの侮辱罪に関し、例も挙げながら語った。

長野智子「2022年に侮辱罪が厳罰化されました。どういう経緯だったのでしょうか?」

久保勇人「プロレスラーの木村花さんが、SNSで誹謗中傷され、亡くなったという被害がありました。そこを契機に厳罰化されたと。改正された条文は『事実を適示しなくても公然と人を侮辱した者は1年以下の拘禁刑、もしくは30万円以下の罰金、または拘留、科料』といったもので。時効が3年になりました」

長野「はい」

久保「親告罪です。多大な被害を受けている、刑罰に処してほしい、というときは警察に告訴する、というかたちをとる。侮辱罪は昔からあったんですけど、改正前は刑罰が30日未満の拘留、もしくは1万円未満の科料。時効も1年。同じような刑罰で名誉棄損罪がある。これが3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金、時効3年というものです。それに比べて侮辱罪はすごく軽かったわけです」

長野「名誉棄損と侮辱罪の違いとは?」

久保「名誉棄損罪は、事実であっても被害者の社会的評価を下げる内容であれば構成要件になります。侮辱罪は事実を示さなくてもなる。この話題を出すうえで汚い言葉をいくつか使わないといけないんですが……。侮辱罪の場合、『○○はバカ、アホ』といった中傷的、感情的な表現も対象です。でも言葉を使っただけでは従来の名誉棄損罪はなかなか適用ができない。名誉棄損罪でカバーできないケースも対応しましょう、取り締まりましょう、という目的もあって侮辱罪が厳罰化された、という経緯があります」

長野「ええ」

久保「名誉棄損罪は事実を示すので、『○○さんは業務上横領をしている』というような内容を書いたら、事実でもなりうる。侮辱罪は具体的な事例がなく、感情的な言葉だけでも成立する。法務省は施行から3年が経ち、適切に対処できているか検証するために、昨年秋から有識者会議を続けています。その資料のひとつとして、実際に起きた判例、事例集が公開されました」

長野「これはわかりやすい」

久保「詳しくは法務省のサイトを見れば出ています。ただしそこには、むき出しの言葉が羅列され、放送では表現できないような言葉が並んでいます。ここでは実例集に載った173件の中から、かいつまんで紹介しましょう」

長野「放送にまだ耐えられそう、というぐらいの」

久保「ネット上で行われた侮辱罪の実例。検索サイト上の被害者の勤務先の口コミ欄、ここに『この病院、最低です』などと投稿した。罰金20万円です。SNSに『この人はなかなか手ごわいですよ。バカなので』などと書いたら罰金10万円。『あのアホは……』といった動画を投稿して罰金10万円と。ネット以外のケースもあります。コンビニエンスストアで被害者に対して『金払えよ、泥棒』と放言して罰金10万円」

長野「それは店員が、ということですね」

久保「駅の構内でトラブルがあったのでしょう、被害者に『バカ』といった言葉を使って罰金10万円。会議室で被害者に対して『バカか、おまえ。ポンコツな仕事をしている』などと言った人に科料で9900円。そういった内容は、法務省のサイトの事例集ではもっと背景説明があったり、何回言った、といったことが書かれたりしています」

侮辱罪に関して、このあとも久保が解説を展開した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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