「参政権の保障ができない」武田砂鉄が衆院選関連の問題点について弁護士と議論
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。2月2日は、弁護士の三輪記子氏が8日投開票の衆議院選挙に関連する解散や参政権についての問題点を解説した。
三輪「もうすぐ選挙ですけれど、問題になりました「解散」について、去年の6月に立憲民主党が“解散権乱用防止法案”っていうのを提出したんですよね。もちろんこれは成立してないわけですけれども、この法案をきっかけに、解散権ってどういうふうに行使すればいいんだろうっていうことを考えてみることができたらいいなって思ったんです。
この“解散権乱用防止法案”の正式名称は“衆議院の解散に係る手続等に関する法律案”で、総理大臣が国会との事前協議なしに解散することが今まで慣例化していたんですけれども、それはよくないよねということで、解散権をどういう条件のもとに行使するかを法律で定めようと。手続きをこう追いかけていかないと簡単に解散できないというふうになってる法律案ですね。この提案の趣旨は、戦後27回、衆議院議員選挙があったんですけれども、そのうち26回が解散による選挙なんですね。任期を全うしたということはほとんどなくて。首相が就任直後に突然解散したっていう例もあります」
武田「まあでもひどい話ですよね。だって、ちゃんと与えられた任期を全うせずに「もう、じゃあここで!」っていうふうに大半がなってるってことですもんね」
三輪「そうですね。しかも、自民党の総裁選の時に、総理になったら解散権を行使するのかどうかが議論されたりして、自民党の総裁選の話なのに、そこで解散するかどうかがテーマになってるっていうことも、なんとなく納得いかないというか。解散って、衆議院議員全員の身分を突然失わせる行為なのに、それが自民党総裁選のテーマになっちゃってるっていう」
武田「候補がバーッと並んだ時にね。もしあなたが総理になったらどうします? 解散します? みたいな。そのこと自体がおかしなことですね」
三輪「そのこと自体がちょっとどうなんだろうっていう。国政の状況って、誰が総理になるかによってそんなに変わるのかなって思ったりもするんですよね。だから、そういうこととかも含めて、やっぱり解散権の行使っていうことについて、一定の制限をかけるというか、恣意的に解散できないようにするっていうふうにしないと、本当に公正公平と言えるんだろうかっていう疑義が生じてくると思うんですよね。
2024年にこの法案が提案された経緯っていうのは、もちろんもっと前から議論はされてたんですけど、特に2024年は首相就任からわずか8日後に解散が断行されたと。この時にも投票所の入場券の遅配とか準備不足が生じたんですよね。有権者の参政権が十分に保障されなかったっていうことがありました。ただ、有権者の参政権が十分に保障されないっていう意味では、今回の選挙も実は同じような問題を孕んでいるわけですね」
武田「そうですね」
三輪「例えば、今は受験シーズンですから18歳以上の大学受験生にとっては選挙どころじゃないよっていうこともあります。それだけじゃなくて、受験生を持つ家族。例えばそれが中学受験であろうと高校受験であろうと、受験生を持つ家族にとっては、やっぱり同じように選挙どころじゃないよっていう家庭もあると思います。あとは豪雪地帯ですよね」
武田「大変なことになっています、今ね」
三輪「その豪雪地帯でも、やっぱり参政権の保障っていうのができない。さらに在外投票ですね。海外からの投票も、本当に参政権が保障されていると言える状況なんだろうかと。在外投票する人は全体の有権者から見ると一部なのかもしれないですけど、数で比べることじゃないと思うんですよね。というのも、参政権はひとりひとりの大事な権利なのに、全体からみてわずかだからいいだろうとか、人権ってそういうことじゃないんですよね。ひとりひとりにきちんと保障されてこその人権なのに、なんとなく数の問題にされちゃう。大きな視点で語られて、ひとりひとりの権利っていうのがないがしろにされちゃうんじゃないかっていうふうに私はすごく懸念を抱いています」
武田「それこそ豪雪地帯で選挙に行けなくなる人。まあ、そういう人も出てくるかもしれないけど、だったらこれからネット選挙、ネット投票を解禁した方がいいよみたいな議論にスライドさせたりする流れがあったりしますけど、そういう話じゃなくて、今回行くことができなくなる人が出てくるかもしれないですよっていうことを考えなきゃいけないですよね。それが本当に人数としては少なかったとしても、そこは保障されなければいけないということですよね」
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