「自分と違う考えの人に、どう向き合えばいい?」勅使川原真衣がその対処法を指南
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。2月25日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が日常的にある「あの人変なんです」と思う状況についてどう向き合えばいいのかを問いかけた。
勅使川原真衣「今日は『あの人変なんです』みたいなのって、結構日常的にあるじゃないですか。これとどう向き合ったらいいかなってお話をしたいと思います。
いきなり思い立ったわけではありません。元ネタがあります。
2月18日付の東京新聞『本音のコラム』というところに『選挙後の症状』と題された、文芸評論家の斎藤美奈子さんの記事があって話題になっていました。
ちょっと読ませていただきます。
『選挙後、“高市鬱”という言葉がネット上を飛びかっている。「あ、それ私!」と思った人もいるんじゃないだろうか。仕事にも家事にも身が入らない、ニュースを見たくない、体調が悪い、ため息が出る、何をしてても気が滅入る。周辺に「いいよね、高市さん」とかいう人がいるともう最悪である。「どこがいいのだ」って。「なんかやってくれそうじゃん」「なんかって何よ!」「それはわかんないけど」「わかんないのに支持するんかい! 非支持者には地獄、メンタルもやられます』というふうな記事がありました。
で、記事も後半では冷静にデータを見ながらですね、有権者全体に対する絶対得票率で言えば、自民でも小選挙区で27%程度だったと。支持率で見ると7割とか6割後半とか聞くと『みんなそうなの?』って感じするけど、違うよって話だったり、最新の朝日新聞の世論調査を受けて『自民党が3分の2を超える議席を得たっていうのは多すぎるよね、と思う』と回答した人の割合が62%だったっていうことも書いてあるんですよね。
だから『言わんこっちゃないけど圧勝したし、どうこの心を保ったらいいの?』っていう気持ちは分からんでもないです。それを『鬱』と言いたくなるっていうのも分かります。
ただ今日はもう一歩踏み込んで考えたいなと思ってるんですね」
武田砂鉄「うん」
勅使川原「斎藤さんはコラムの最後にこう書いていました。
『あなたが変なわけではない』ってことだと。『我々が変じゃないのよ』って言った時って、『じゃあ誰が変なの?』って感じにちょっと不安になるじゃないですか。
一党独裁に結構近づいちゃってますので、この国の民主主義をどう取り戻すのか。それを考えると“高市鬱”っていうことは、あまり得策じゃないのかなというふうに思っています。
すでに“高市鬱”っていう言葉に対して批判はないわけではない。ありますよね。『精神疾患への差別だ』みたいな声もありますけども、それはちょっと的を射ていない部分もあるのかなと思っていて、これって誰かに対して『あなた“高市鬱”でしょ?』って言ってるわけではないんですよね。
本人が自称してる自分の落ち込みを比喩化してるってことなので、ちょっとそこが悩ましいんですけども。
ただやっぱり“高市鬱”に問題があるとすると、私が思うのはですね、この間の選挙戦って、なんか『気持ち悪い』とかね、『あの人嫌い』とか『黒い』とか『頭悪い』とかね、『言っても仕方ないよっていうことを学んだんじゃなかったんでしたっけ?』っていう気がするんですよ」
武田「なるほどね」
勅使川原「もちろんね、おかしなことは起きてるんですけど、それを嫌悪の言葉に回収させても世論を動かせなかったっていうのが学びなので『どうしましょうね?』っていうのを今日考えたいんですよね。
事実じゃもちろんないんですけども『リベラルは悪口ばかり』っていう話を先週のコラムでもお届けしました。『批判=悪口と呼ぶ社会、いよいよやばいよ』っていうのも先週お伝えしていて、私も危機感あります。危機感あるけども、私たちが高市政権の暴力性にね、嫌悪の言葉で応酬し続けること、これでいいのかっていうのはちょっと皆さんと問いたいなと思うんですよね。
いや、それかもしかしたらなんですけども、もうそんなことは薄々リベラルの皆さんも分かっていて、もしかしてやめられなくなっているのかな?
先ほどのSNSじゃないですけども、依存という話もあるのかなと思い始めたんですよね。
そのきっかけが実は先週の金曜日に私の方でありました。『叱る依存が止まらない』他、著書たくさんあります、臨床心理師で公認心理師の村中直人さんと対談をさせていただきました。
村中さん、著書でも対談の場でもおっしゃっていましたけども『叱る、つまり怒りを相手にぶつけて相手をコントロールしようとするという行為、これは叱ってる側の報酬系を刺激するんだ』と。
叱ると脳内でドーパミンが出るんですよね。なので自分が優位に立ったような感覚だったり、自分が正しい側にいるんだっていう安心感だったり。村中先生は『処罰欲求』っていう言葉でおっしゃっていて、これなんか一部の悪人だけがあるわけじゃなくて、私たち人間の性(さが)として、違うことやってる人を見つけると、笛をピピって吹きたくなるような処罰の欲求というのは誰でもあるんですって。
なので叱っているうちに正義の執行者になれた感じがして、体感なんだと。だからやめられないっていう話をされているのを聞いて、これもちろん村中先生は親子関係とか学校の先生と生徒の話をされたと思うんですけども、政治への怒りもちょっと近しい回路に乗ってるんじゃないかなっていう気がしたんですよね」
この後も、勅使川原真衣さんがリスナーの皆さんと考えたいことを様々な角度から問いかけています。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。
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