海上保安官として40年、海のスペシャリスト・遠山純司さんに聞く
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近もっとわかりやすく生活目線お届けしている番組です。
今月の「防災アワー」は夏のレジャーシーズンを前に、海や山の事故から身を守るポイントについてゲストをお迎えしお送りしていきます。
きょうは日本水難救済会理事長・遠山純司(とおやま・あつし)さんにご登場いただきました。

遠山純司さんは海上保安大学校を卒業後、海上保安庁本庁や全国の巡視船で多くの警備・救難活動に当たられました。尖閣諸島の領海警備の現場指揮官や、第三管区海上保安本部長などを歴任された、まさに海の安全のスペシャリストです。
40年間海上保安官として勤務された中でのやりがいは「人命救助」。また、海上保安大学校の教官として実習生を引き連れ、世界一周の遠洋航海を行ったご経験もあり「世界の海をまたにかけることはなかなか経験できない。一方で船の運行は大変な仕事であり、星や太陽の位置から自分の船のポジションを計算したり、潮や風を読みながら動かす必要があるため、厳しさもあるがそれを含めて”海のロマン”」と話していました。
先月「主婦と生活社」から『「考える力+行動する力」が同時に身につく! こんなときどうする⁉大事典』という本が発売されました。遠山さんは第1章「海や川でどうする⁉」の監修を担当されていますが、特に「幼い命を救いたい」という思いからこの企画に携わられたとのことです。
この本の特徴は「流されたらどうするか」といった対処法だけでなく「流される前にどうするか」という「予防法」に切り込んでいる点だそうです。イラストも豊富で、子供たちが自分で考えるためのクイズ形式にもなっていて、わかりやすく楽しく読めるように工夫されています。

例えば「Aくんは泳ぎが得意ですが、水深の浅い場所でおぼれそうになります。いったいなぜでしょう?」とあります。
遠山さんの答えは「何の備えも準備もせずに海に行ってしまったから」。海で溺れた人の半分は「25メートル以上泳げる人」で、自分の力に自信がある人ほど「自分は泳げるから」と過信し、ライフジャケットを着用しなかったり、天候が悪くても安易に海に入って事故に遭うケースが後を絶たないそうです。
海に入る前には気象、特に「風」を調べることが重要だとか。沖に向けて風が吹いている時に浮き輪などに乗っていると一瞬で流されて帰れなくなるそうです。
現場で波が高くないか、白波が立っていないか確認することも重要。「海に入るかどうかの判断は命に関わる重い判断」だそうです。
それから「潮の流れ」を調べること。「離岸流(リガンリュウ)」は秒速約2メートルに達することもあり、オリンピックのゴールドメダリスト級の速さで、救難のスペシャリストでも抗えないほど強力だそうです。
しかし、この流れの幅は10〜30メートル程度のため、特徴をあらかじめ勉強しておけば、パニックにならずに横に泳いで抜け出すことが可能だとか…。

聞き逃した方はきょうの「防災アワー」radikoでぜひお聞きください。
気象予報士・防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子
