川の事故、子どもはあっという間に声も出さずに溺れる…遠山純司さんに聞く 

川の事故、子どもはあっという間に声も出さずに溺れる…遠山純司さんに聞く 

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毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお届けしている番組です。

今週は日本水難救済会理事長・遠山純司(とおやま・あつし)さんに「川で安全にレジャーを楽しむ方法」についてお話しいただきました。
海上保安官として40年間、海の最前線で活躍されてきた遠山さんは尖閣諸島の領海警備の現場指揮官や、第三管区海上保安本部長などを歴任された、まさに海の安全のスペシャリストです。
先月「主婦と生活社」から発売された『「考える力+行動する力」が同時に身につく! こんなときどうする!?大事典』では、第1章の「海や川でどうする!?」の監修を担当されています。


遠山:水難事故は半数が川で発生していますが、特に中学生以下は川の事故の方が多いんですよね。川の方が生活圏・身近な所にあって、登下校の時に水辺で遊んでいこうなどそういう気分にさせてしまう。ですから子どもがそういった水辺に行って足を滑らせて深い所にはまって溺れるというような事故が最近も減らない実態があります。川は本当にある意味「生き物」流れがあって水深が一定ではないんですね。川の底も砂などでできているので、それが崩れて這い上がるのが非常に難しい。海に比べて真水ですから比重が軽く浮きにくいという怖さもある。ですから川の場合も海と同じくどういう所が危険かを事前によく調べて「ライフジャケットを着る」などの事前の備えをして楽しんでいただきたいと思いますね。

伊藤: ライフジャケットは、子どもにとって特に大切なのですね。

遠山: これはもう必須です。流されると「大の字」で浮いて待てと言われますが、あんな姿勢では絶対に呼吸を確保することはできません。それから大人も、子どもと一緒にいていただきたいと思います。子どもは瞬時に流されるので、よく「子どもから目を離すな」と言いますが、あれではちょっと手遅れなんですよ。子どもだけ川で遊ばせて、親は陸、岸辺で、例えばバーベキューの準備をしたり、お喋りをしたり、最近はスマホをずっと見ておられる親御さんもいらっしゃると思いますが、はっと気づいたら子どもがいない。子どもというのは、あっという間に声も出さずに溺れるとよく言われるんですね。それを防ぐために「目を離すな」ではなく、常に子どもと一緒にいる、手が届く所にいる。これは是非守っていただきたいと思いますね。

伊藤: 親も川に入るということですね。

遠山: はい、それともう一つは「ママパパポジション」です。どのポジションに親はいるべきか…川の場合は常に子どもの下流にいる必要がある。子どもが流された時にそれを受け止めてあげる、そういうポジションにいる。海の場合は子どもより沖側にいる、これを「ママパパポジション」と言っています。
また、よく子どもがサンダルを流されるとか、帽子を流されることがありますが、それを拾いに行く子どもが流されて、それを助けようとした親がまた流されて二次被害に遭うケースも毎年起こっているんです。「サンダルバイバイ」という言葉がありますが、サンダルが流されても決して追わない、子どもがサンダルを流しても叱らないという…サンダルが自分の命、子どもの命よりも重いわけがありませんよね。サンダルではなくて最近はマリンシューズやマリンブーツなど、川や海で履く専用の履き物がホームセンターなどでも売っています。それを履かれることを推奨します。
また、こういう時欠かせないグッズとして、ライフジャケットに加えて「スローロープ」も推奨したいと思います。


伊藤:「スローロープ」とは?

遠山: これはバッグの中に軽い素材で作ったロープが収納されていて、そのロープの端を持った状態で袋ごと投げる。10メートルぐらいは飛んでいくので子どもが流された時に間髪入れずこれを投げて、子どもにそれをキャッチしてもらって引き寄せる。効果的に子どもの命を救う優れ物です。これもホームセンターで売っていますし、通販でも買えます。是非チェックして、川や海に行かれる時にはもう常備品として持っていっていただきたいと思います。

伊藤:リスナーにこれだけは伝えたいということは?

遠山:水辺では何か起こってからではもう手遅れです。何か起こらないように、事前の天候のチェックをする。それからライフジャケット、スローロープなどの命を守るものを持って、海や川で楽しんでいただきたいと。海も川も非常に魅力的なところです。「危ないから行かない」「行ってはダメ」という風には決して申し上げたくない。やはり安全な準備をして、大いに海・川で楽しんでいただきたいと思います。

きょうの「防災アワー」、聞き逃した方はradikoでぜひお聞きください。

気象予報士 防災士 気象庁・都庁担当記者 伊藤佳子




   

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