広島原爆投下から76年 世界の橋渡しは日本の役目 ～8月6日「おはよう寺ちゃん」
8月6日の「おはよう寺ちゃん」（文化放送）では、寺島尚正アナウンサーと金曜コメンテーターの元警視庁北京語通訳捜査官・作家の坂東忠信氏が、日本にとっての「8月6日」について考えを述べ、これからの日本が世界にとるべき立場について話し合った。
核兵器禁止条約発効、いまできることはなんなのか
広島への原爆投下から今日で76年を迎え、広島市の平和記念公園では8時から式典が開かれた。新型コロナウイルスの対策で、去年に引き続き参列者は例年の1割以下に縮小されている。
「坂東さん、改めてこの日に対してはどういうことをお感じでしょう？」（寺島アナ）
「はい、黙祷するには8時15分からで、ラジオの方ではちょっと（中継）できないということなんですけど、ちょうど今頃（8時3分）の段階で、（原爆を積んだ米軍戦闘機）B-29が（広島上空に）飛んできていることをまだ誰も知らなかった。今の私たちみたいに『今日も暑いな』とか話をしながら普通にいたのが、あとわずかで一変してしまった。こういうことが昔あったけど、今ないとは言えないということが一つ。あとその頃の記憶を持っている人がどんどん少なくなっていくということがありますので、今しかできないことがなんなのか、ということを考えて過ごしていくことが大切ですね」（坂東氏）
坂東氏いわく、侵略は「しない」「させない」「煽らない」。二度とこういうことを繰り返さないためには、とくに侵略を「させない」ことが大切だと語った。
「いま坂東さんのお話にでました。被爆者の平均年齢が84歳近くになっていて、高齢化がいっそう進んでいます。となると被爆の記憶を次の世代にどう伝えていくかも課題ですよね」（寺島アナ）
「そうですね。本当に今しかできないことはなんなのか、を日々考えながら二度とこういうことが起こらないようにするためにはどうしたらいいのか。政治だけじゃなく経済もいまは連動していますので、みんなで一緒に連動して考えるようにしたいですね」（坂東氏）
「そして世界の核軍縮を巡って今年の1月、核兵器の開発や製造、使用などを禁じる核兵器禁止条約が発効されました。核保有国、日本など『核の傘』のもとにある国は参加していません。広島市の松井市長は式典で日本政府に対して、被爆者の思いを誠実に受け止めて核兵器禁止条約に参加し、核保有国と非保有国の橋渡しをしっかりと果たすように求めることにしています。この核兵器禁止条約については坂東さんどうお考えですか？」と、世界唯一の被爆国・日本が、核兵器禁止条約に参加していない現実を寺島アナが改めて話題にした。
「条約ができたとしても未だに核を持っていることで、でかい態度の国もありますし、未だに力の世界なんですよね。条約で使わないことになっていても、本当に切羽詰まった時にどうなのか、は1人1人の道徳心。そういった現実を見据えながら世界の橋渡しができればいいな、と思いますね」と、坂東氏は理想と現実の折衷案をしっかりと認識していきたいと語った。
＜参考ニュース＞
広島は６日、米軍による原爆投下から７６年の「原爆の日」を迎え、広島市中区の平和記念公園で午前８時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」（平和記念式典）が営まれた。松井一実市長は、核兵器禁止条約の発効から初めてとなる平和宣言で、日本政府に「一刻も早く締約国となる」よう条約批准を訴え、締約国会議への参加も求めた。原爆投下直後に降った「黒い雨」被害者については「早急に救済するとともに、被爆者支援のさらなる充実を強く求める」と要望。政府に核保有国と非保有国との「橋渡し役」を果たすよう訴え、各国には、条約の支持と、核抑止論に基づく安全保障政策を転換するよう求めた。
（共同通信ニュースより）
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