日本は本当にIT後進国なのか?みずほ銀行のシステム障害から考えるデジタル庁の役割とマイナンバーカードの安全性 ~ニュースワイドSAKIDORI

日本は本当にIT後進国なのか?みずほ銀行のシステム障害から考えるデジタル庁の役割とマイナンバーカードの安全性 ~ニュースワイドSAKIDORI

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先週水曜日、みずほ銀行で今年に入って7回目のシステム障害が発生した。基幹システム内にある機器の不具合による障害と見られている。そして9月14日(火)はスマホ決済の「楽天ペイ」で、一時、決済ができない障害が発生した。新型コロナウイルス対策向けに構築された政府のITシステムでトラブルが多発する日本。日本はやはり「IT後進国」なのか?
そしてIT化の遅れは、デジタル庁の発足で取り戻せるのか? 9月14日(火)の文化放送「ニュースワイドSAKIDORI」は、「システム障害」事故をキーワードに「IT後進国」と呼ばれる日本の在り方について考えた。

ニュースで「システム障害」という単語を聞いてもなかなかピンとこないものだが、「お金がおろせない」「料金を払えない」など自分の生活に支障をきたすと、身近で深刻なニュースだと感じられるものだ。一方で、なぜこのような現象が起こるのか?我々はどのように対処すれば良いのか?と考える機会は少ない。マイナンバーカードについても「何となく心配」という状態が続いているのではないだろうか?「SAKIDORI」に出演したITジャーナリストの三上洋氏が解説した。

今月1日に発足したばかりのデジタル庁が現在進めている事業は、「ガバメント・クラウド」と呼ばれるものだ。「クラウド」とは、利用者が「PCにデータを保存したり、ソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、人や企業や官公庁などが相互でつながり、様々なサービスを受けることができる」というもの。例えば、これまで健康保険や転居届というような情報システムは自治体ごとにバラバラで互換性がなかったが、これからは「ガバメントクラウド」の中にそういった情報システムのサンプルを置き、それを使ってもらうことでそれぞれの自治体も省庁も同じプログラムで同じデータ形式ものが使えるようになる。
引っ越しを例にとると、今は転出する自治体と転入する自治体にそれぞれ届けを出さなければならない。しかし今後は両方の自治体が同じシステムとなるので、スマートフォンとマイナンバーカードだけで手続きが完了となり、2つの自治体の役所に出向く必要はなくなる。
デジタル庁は、5年後にこのようなことが現実化すると考えているようだ。

この手続きを進めるために欠かせないのが先述の「マイナンバーカード」だが、現状ではこのマイナンバーカードの普及率の低さがネックとなっている。

マイナンバーカードは個人のマイナンバーを記しているだけでなく、公的個人認証の出来るチップが埋め込まれている。チップは偽造が不可能なため、このチップを読み取れば本人確認に使える。マイナンバーカードが健康保険証の代わりに使えるとか、2024年からはマイナンバーカードに運転免許情報を一体化させるという話が出ているが、それはマイナンバーカード自体に健康保険証や運転免許証のデータが入るという話ではない。あくまでマイナンバーカードは公的個人認証を行うだけのもの。チップを読み取り、最初に登録したパスワードが合致して始めて、そのカードに紐付けられた健康保険証や運転免許証のデータが読み取れるという仕組みになっているのだ。「自分の個人情報が漏れる」と心配をしている人も多いことだろう。しかし、このチップとパスワードによる認証自体は、今考えられる中でも相当高いセキュリティなので、ここから健康保険証や運転免許証の個人情報が漏れる可能性は低いと言える。コメンテーターの小西克哉氏の「ということは、マイナンバーの通知カードよりも、マイナンバーカードそのものを持っている方が安全ともいえるのか」の質問に、三上洋氏は「そうだ」と明快に答えた。

マイナンバーカード自体は安全なものであるという点については、その後、出演した、経済評論家の加谷珪一氏も同感した。では何が不安なのか? それは、運用する組織そのものだという。カード自体が安全であったとしても、政府から大規模な情報漏洩があるかもしれないという不安だ。そういった問題が起きうるのは日本だけではない。アメリカでも連邦職員の名簿が何十万人分も流出する漏洩事故があった。技術には100%の安全はない。しかし加谷氏によると、そういった事故が起きた際の事後対処には大きな差があるという。「何が問題だったのか?そして誰に責任があるのか?」という検証が徹底的に行われるのが欧米の常識だ。しかしこの「行政の透明性」という常識が日本では遅れている。これが不安心理の根源ではないかと加谷氏は指摘した。

新型コロナクチンの予約システムで予約が出来ない、接触確認アプリCOCOAが機能していないなど、新型コロナウイルス対策のITシステムでトラブルが多発している日本。
デジタル庁の発足で、「IT後進国」の汚名を返上して欲しい。しかしデジタル庁を作ったということで、自画自賛を繰り返す菅総理大臣や平井IT大臣の発言には一抹の不安を覚えざるをえない。デジタル庁は目的ではなく手段だ。デジタル庁を作ることでどのような社会を作りたいのかを明確に国民に示すことこそが、マイナンバーカード普及の近道とも言えるだろう。

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