常識を再定義するニュービジネス #2『浜松町Innovation Culture Cafe』

常識を再定義するニュービジネス #2『浜松町Innovation Culture Cafe』

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「今幸せですか?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか?自信を持って「幸せ」と答えられますか?2012年に初めて発表された世界幸福度ランキングでは、日本は年々ランクを落とし、2020年は156ヵ国中62位との結果でした。これは先進国の中では最低のレベルです。

この調査は客観的なデータではなく、「自分の人生の幸福度を10段階で評価するとどこに値すると感じるか」という主観的な質問の回答がベースになっています。つまり日本人は、人生に満足しているとは決して言えない状況がわかります。豊かだと言われる日本において、どうして人々は幸福を感じられないのでしょうか?

例年福祉大国として知られる北欧諸国がランキング上位を占めており、その中でもフィンランドは3年連続1位を獲得しています。フィンランドでは仕事もプライベートも両方大切だと考えられており、ワークライフバランスが重視されています。その象徴として、残業はなく定時になると即帰宅し、趣味や家族との時間を大切にします。コロナ以前より在宅勤務も定着しており、有休消化率も高く、男性の育休取得率も8割だそうです。これを聞くと労働時間がとても少ないように感じますが、長時間労働で知られる日本より1人あたりのGDPが高いのです。仕事に追われ、もはや残業も有給未取得も当たり前となり心のゆとりを失ってしまっている私たち日本人より、仕事を効率良くこなし、プライベートも充実して人生を楽しんでいるフィンランド人の方が、幸福度が高いのは当たり前のことのように感じます。

もちろんこの他にも多くの要因があるでしょうし、またこの主観的な調査の結果が全てではないとも思います。ただ、長時間労働や法律を無視した働き方が度々問題になっているのは事実です。これを国民性という言葉や、当たり前とはせず、新しい常識を定着させていく動きが必要になってくるのではないでしょうか。コロナ禍の今こそ「働き方の常識の再定義」が受け入れられるチャンスかもしれません。

番組内では、テクノロジーとビジネス情報のメディアサイトCNET Japan編集長の藤井涼さんと、人工知能を使った教材を手掛けるatama plus株式会社代表取締役稲田大輔さんにご参加いただき「教育の常識の再定義」について熱いトークが繰り広げられました。

現在の事業内容

藤井 CNETJapanでは、最新のテクノロジートレンドや、比較的アナログな産業がテクノロジーによってどう変わっていくかの視点で取材をしています。テクノロジーは難しいイメージがありますが、無理に横文字を使いすぎないなど、専門家だけでなく幅広い人たちに読んでもらえるメディアになるよう意識しています。

稲田 今は〝AIの先生〟を作っています。中高生を対象に、生徒一人一人の様々なデータを基に自分専用のカリキュラムを作るサービスです。全国の塾予備校2100教室以上で広がっており、atama plusで2週間学習した生徒の大学入試共通テストの点数が平均1.5倍に伸びたというデータもあります。もう一つ、先生向けのアプリでAIと人のベストミックスを作ろうとしています。従来の一方的に知識を詰め込むティーチングから、今後は生徒と一緒に伴走するコーチングの役割が必要になってくると考えています。ここをサポートするプロダクトとなります。

教育の常識の再定義

稲田 教育の常識を変えるものとしては、一つめは模擬試験のオンライン化です。受験後すぐに採点、復習することで、その後の学習に活かすものにしたいです。二つめは大学入試の常識を再定義する試みです。入学試験ではなく、今までの学習データから大学に進学できる世界を作りたいと考えています。教育そのものの在り方を再定義し、自分の人生を生きる人、つまり基礎学力と社会で生きる力の両方を習得した人材を育てていきたいです。

藤井 オンライン授業の強制的実施で教育のオンライン化が進んでおり、稲田さんのソリューションがより楽しみです。社会そのものを変革するテクノロジーに注目していますが、その代表であるatama plusの考えに共感しています。

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