『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』     退職金で住宅ローン一括返済はダメ!? 悩める60代を救うリバースモーゲージ活用法(おとなライフ・アカデミーWEB)

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 退職金で住宅ローン一括返済はダメ!? 悩める60代を救うリバースモーゲージ活用法(おとなライフ・アカデミーWEB)

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今を楽しく生きるオトナ世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。
残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。

この連載では、人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」で話した内容をもとに大垣さんが執筆した、ここだけのエッセイを掲載中。
ラジオと合わせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。

2021年9月11日の放送は、退職後の住宅ローン返済について。このラジオでもたびたび取り上げている、退職金でのローン返済問題。人生100年時代、老後の生活資金のためにも、まとまった額のお金は温存しておきたいところですが・・・。

退職金、ローンの返済で全て使ってしまう予定です

今回は、退職後のローンとの付き合い方について考えてみました。

リスナーメールをご紹介します。

大垣さんがいつもおっしゃっている、
退職金でローンを返す住宅ローンを組んでしまったものです。
60歳で退職、これでローンを返済すると退職金が消えます。
あとは5年間、一生懸命働くしか無いのかなと
暗い気持ちでいます。
なにか、良い方法は無いでしょうか?

(千葉県印西市・印旛県の住人さん)

退職後の借金は、負債ではなく甲斐性と考える

まず言いたいのは、退職後のローンについては「甲斐性」ととらえてください。

貯金や預金がなくなっていく中で、毎月それなりの額のお金を支払わなければならないのは確かに気が重いですが・・・。

いいように考えれば、自分にはそれだけの額を毎月払える気力や元気があるはずだと、銀行が保証してくれている、ということでもありますからね。

返済額が老後の生活を圧迫しすぎるようでなければ、退職金を温存したまま、返済を続けていく作戦も一つかと思います。

返済額はリバースモーゲージで減らすことも可能

それから、返済額にもよりますが、リバースモーゲージ型住宅ローンに借り換えることも視野に入れてみては。

たとえば、2009年から住宅金融支援機構が提供している「リ・バース60」は、60歳以上の方に限定したリバースモーゲージ型住宅ローンです。

このローンを使うと、毎月の支払額が利息のみになるんです。

ですので、たとえば印旛県の住人さんが月々8万円ほど借りていたとすると、2〜3万円まで返済額が減ります。

ローンの元金は、皆さんが亡くなられたときに返済が行われます。

返済方法は、家を相続する方(お子さんなど)が一括返済するか、もしくは、家や土地を売却するかのいずれかになります。

土地代の半額程度は借り入れられる!

ただし、そもそもリバースモーゲージで借り入れられるのはおよそ土地代の半分ほど。数百万が限度です。

ちなみに、土地代の確認は、インターネットで簡単に調べることが出来ます。国税庁のホームページに「路線価図・評価倍率表」というページがありますので、そちらを参考に、ご自宅の価格を計算してみてください。

子供が一括返済することは難しそう・・・生命保険に入っていたら大丈夫かも

さらに、もしも印旛県の住人さんが生命保険に入っておられるのであれば、お子さんが家を相続される際の経済的な負担も軽減できます。

というのも、日本人の平均的な生命保険金は400〜500万円程度なんですね。
ということは、リバースモーゲージで借り入れられるお金とほぼ同額になりそうです。

残せる資産自体は少なくなってしまうかもしれませんが、家を相続するか・しないかを、お子さんのその時の状況で判断できるのは、ある意味メリットかもしれません。

退職後の預金は「とりあえず温存」がベター?!

というわけで、今回は老後の住宅ローン返済について考えてみました。

印旛県の住人さんは、退職金を全てローン返済に当てる予定でいるそうですが・・・。

退職金を全て使ってしまうよりも、余裕を持って支払える程度に減額して、ゆっくり様子を見ながら返済を続けるほうが、気楽に家と付き合い続けられることもあると思います。

ぜひ、色々な可能性を検討してみてくださいね。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。金融商品などの利用や法制度については、必ず公的な機関のサイト等で最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。

JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

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土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

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