飲食店選びの合い言葉は”HEPA”! 感染対策の専門家、石垣陽氏が提唱。~ニュースワイドSAKIDORI!

飲食店選びの合い言葉は”HEPA”! 感染対策の専門家、石垣陽氏が提唱。~ニュースワイドSAKIDORI!

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東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県と大阪府で25日、
飲食店に対する営業時間の短縮要請が全面的に解除された。
夜の街が賑わいを取り戻しつつある一方で、感染の再拡大、
リバウンドを懸念する声もある。
そこで今日は、飲み会や忘年会をする場合、どのようなことに気を付けて
飲食店を選べばよいのかについて、リスク情報学が専門で感染対策に詳しい、
電気通信大学 石垣陽特任准教授が電話で出演し、解説した。

先ず、聞き馴染みのない「リスク情報学」とはどういう学問なのだろう。

「リスク情報学とは、身体で感じられないようなリスクを
どうやって減らせばいいのかを研究する学問のこと。
具体的にはCO2や放射線、PM2.5といった
身体に悪い物への曝露を減らすための活動をしている。

これまではルワンダやインド、インドネシアといった途上国での活動が中心だったが、
新型コロナウイルスの感染が広まってからは日本での活動が多くなり、
空気感染を避けることを目的に、飲食店、病院、高齢者施設といった
120箇所ぐらいの施設のCO2濃度を常時モニタリングし、
クラスターが発生した場合には立ち入って調査を行い、
再発防止のための改善のアイデアを出し、それをその業界で共有する研究活動をしている。

CO2自体が感染リスクを高めるわけではないが、CO2が呼気に多く含まれるため、
その濃度が高いと言うことは換気が悪く、感染リスクが高いことを示しており
これはかなり前から知られていた」。

続いて、ハロウィンや忘年会などこれからは外での飲食の機会が増えてくるが、
そのための飲食店選びのポイントについて、石垣氏は以下のように述べた。

新型コロナウイルスの感染経路は3つしかない。
①ウイルス量が一番多いと言われる接触感染。
これは手洗いや消毒で防ぐことが出来る。
飛沫感染や直接飛沫といった、口から出てくるものによる感染経路。
これは重力沈降と言って徐々に下に落ちてくるので、
ソーシャルディスタンスやパーティションで防ぐことが出でき、
飲食店ではかなり普及している。
空気感染やエアロゾル感染というマイクロ飛沫による感染経路。
これには換気や空気清浄機と言った対策となるので、
ちょっと一般の人には分かりにくいと思う。」

この3つの感染経路に対する対策が行われている飲食店ならば安心できるといえよう。

接触感染と飛沫感染に対する対策は、
●入り口に消毒用アルコールが置いてあるかどうか
●隣の席との間の距離とかパーティションがあるかないか
など、パッと見れば分かるものばかりだ。

ただ注意しなければならないのは、アクリル板やビニールシートの使い方だ。

「実はこれまで調査した中に『ビニールシート・クラスター』と呼ばれる事例があった。
これは天井付近から床までビニールシートを張ってしまったため、
まるでビニールハウスのようにマイクロ飛沫が閉じ込められてしまい
そこでクラスターが発生したことが原因だった。
ビニールシートやパーティションは調節飛沫を防ぐためのもので、
互いの飛沫が直接かからない程度、具体的には頭の高さや肩幅くらいで充分だ。
それ以上だと換気の問題が出てきてしまう。
また隣の席の人と面と向かって話をすることはないので、
隣の席との間にビニールシートやパーティションがない店を敬遠することはないと
個人的には思う。

一方、今や一番多いと言われている空気感染やエアロゾル感染への対策は
換気や空気清浄機のため、なかなか分かりづらい。
ただ日本の場合、換気のいい店は結構多いと言える。
例えば焼き肉屋。
肉を焼くときにかなり煙が出るので、これを外に出すために換気回数を増やしたり、
常時換気扇を回している。
それからラーメン屋やオープンキッチンの店も同じようなことが言える。
つまりこういう店を探せば安心して食事が出来るわけだ。

また空気清浄機に関しては、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を使っているかどうかを判断基準にするといい。
HEPAフィルターとは日本の国家標準として認定しているもので、
簡単に言うと、濾過効率の高い、性能のいいフィルターということだ。
厚生労働省が推奨している風量の多い空気清浄機にはこのフィルターが搭載されている。空気清浄機自体に”HEPAフィルター”と書かれている場合もあるし、
吹き出し口に手を当ててみて、かなり強く空気が出ているようならば
HEPAフィルターを使っている場合がほとんどだ。
特に換気がしにくい地下の店は、このHEPAフィルター搭載の空気洗浄機を置いてあることがポイントとなる。
これからは”HEPA”を合い言葉に、飲食店探しをしてみてはどうだろうか」


ここで水曜コメンテーターで作家の古谷経衡氏から
「家庭でもHEPAフィルター付きの空気清浄機にするべきか?」という質問が飛び出した。

これに石垣氏は「どんな空気清浄機でも99.9%の除去率はあるので、
店舗と違い人数の少ない家庭では普通の空気清浄機で充分だ」と答えた。

「店舗によっては工場で使っているような大型の扇風機を使っているのを見かけるが、
これは効果があるのか?」という質問に対しては、

「扇風機を使うときにぜひ注意して欲しいのが、
店の外に空気を出すように外に向けて使うことだ。
一番やってはいけないことは、人に風を当てること。
たまたま陽性者に風が当たってしまい
店内にウイルスが飛び散ってしまったという事例があった。
扇風機は悪い空気を外に追い出すために使うと認識して欲しい」と答えた。

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