「18歳以下の子どもに対する10万円相当の給付、本当に必要?」~12月16日ニュースワイドSAKIDORI

「18歳以下の子どもに対する10万円相当の給付、本当に必要?」~12月16日ニュースワイドSAKIDORI

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政府は15日、18歳以下の子どもに対する10万円相当の給付を巡り、現金での全額給付を無条件で認める指針を全国の自治体に通知した。

政府は当初、現金5万円を年内に給付し、残りの5万円分は原則子育て関連に使い道を限定したクーポンという形で来年の春に配布する予定だった。政府は何故、方針を二転三転させたのか。「ニュースサキドリ・後半」(午後4時3分~)では、比較政治学が専門の同志社大学教授、吉田徹さんに聞いた。

政府の方針が二転三転し、迷走したことについてどう見ているのか?
―経過をみると、衆議院選挙(の公約)で公明党が未来給付金と称して0歳から高校3年生全員に10万円を給付するとしたことから始まった。その後、自民党と公明党が協議をし、自民党がこれに経済政策の色合いを持たせようとしてクーポン券(の使用)を提案した。一方、バラマキだという批判を避けるために所得制限をつけようとした。いずれにしても、もし子育て支援だとすると何故そもそも所得制限を設けるのか、経済対策だとすると何故多くの場合、貯蓄に回ってしまう現金なのか、あるいはコロナ禍で困っている人を助けるための困窮対策だとするならば何故9割もの世帯が対象になってしまうのか、というトリレンマに陥ってしまった気がする。2兎ならぬ3兎を追ったことで政策自体が右往左往することになった。

その上で、
―今回おかしいのは、世帯で最も収入の多い人を基準に所得の制限を設けていること。例えば共稼ぎで800万円ずつ稼いでいる子育て世代も恩恵に与る(ことができる)。他方、1人で1000万円を稼いでいる子育て世代には給付はされないというアンバランスがある。なぜそういう風になってしまったのかというと、まだ、社会制度が“男性稼ぎ手モデル”のままで、稼ぎが多数派になっている(という)社会の実態にあっていないというところで制度設計がうまくいっていないことの根本になっている。ただ、コロナ禍で困っている人が多くいることは事実なので、そういう人に現金とかクーポンをばらまく以外の方法で助けることができないか、例えば3歳以下の保育料を無料にする、大学生の奨学金を補充する、休職中の人への支援を手厚く行うなど、もっと政治が知恵を絞るべきことはたくさんあったのではないかと思う。2兆円もの税金を使うわけですからもっと生産的で、且つ長期的な議論があってしかるべき。

では、「18歳以下の子どもに対する10万円相当の給付」は必要なのか?
―日本の政策をみた場合、人への投資、未来世代への投資が他の先進国に比べて少ないので、子育て世代や子どもに社会が投資をしていかなくてはいけない。ただその手段が現金だけかというと必ずしもそうではないと思う。


当日のコメンテーター、『週刊文春』の元記者でジャーナリストの中村竜太郎氏からも、「(取材すると)給食費が払えないお子さんもたくさんいる、それがメディアの取材でもみえない。より事態は深刻化しているのではないかと感じている」と貧富の差の広がりを懸念する言葉があった。自治体によって対応は違うが、少なくとも年内に現金5万円は給付される見通しである。どのような形であれ、次世代の子どもたちが幸せになるために使われるものであってほしい。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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// 2022.04.28追加