6言語を使う言語学者が魅せられた「ムラブリ語」の面白さとは?わずか400人の少数民族に感じた親近感のワケ

6言語を使う言語学者が魅せられた「ムラブリ語」の面白さとは?わずか400人の少数民族に感じた親近感のワケ

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タイやラオスの山間に住む「ムラブリ族」には文字がありません。彼らと触れ合いながら“世界で唯一人”と言っても過言ではない「ムラブリ語」研究を続ける言語学者の伊藤雄馬さんが3月18日の「くにまるジャパン極」(文化放送)に登場。どんな研究をしているのか、その魅力について伺いました。

野村邦丸アナ「ムラブリ族の人たちは、どこに住んでどんな生活送っているんですか?」

伊藤「タイ北部とラオスの国境地帯に「ゾミア」という少数民族がひしめいている地域がありまして、そこに住むモン族やカレン族などの中で一番小さい民族がムラブリ族です。マイノリティの中のマイノリティという感じの本当にちっちゃい集団で、平和的で問題も起きずタイ側のムラブリは国籍をスムーズにもらって認知されています。正確な数はわからないんですが4~500人ぐらいですか。」

邦丸「ムラブリ族の人は何語を話すんですか?」

伊藤「タイ側のムラブリは外部の人に対しては北タイ語というタイ語の方言を使って話します。僕も最初は標準タイ語や北タイ語で話をしました。」

邦丸「先程タイ側のムラブリの映像をちょっと拝見したんですが、昭和の日本の夏場の山奥みたいなんです。建物は決して立派じゃないんですが、しっかり建てられています。それで最近まで男性も女性も裸で暮らしていたんですって?」

伊藤「褌一丁で暮らしてたということで、今も村のおじいちゃんとかは褌姿で歩いていますね。」

邦丸「そのムラブリ族の何に惹かれたんです?」

伊藤「すごい遠くにいて狩猟採集生活をしている人は、自分とはすごい距離があるだろうなと思っていたんですけど、意外と親近感があるというか、あまり変わらない部分があったんですね。昔の日本みたいという話が出ましたが、僕も全然違う文化圏のはずなのに懐かしい感じがしました。それが何かはなかなか言語化できないんですけども、ここなら調査のために滞在してもいいと思ったんです。」

邦丸「ムラブリには文字がないわけですよね。どうやって研究をしたんですか?」

伊藤「辞書に出ている発音記号のような「音声記号」をつかって、文字のない言語を記録していくんです。」

邦丸「つまり「ムラブリ語辞書」を作っているということですか?」

伊藤「そうです。結果的には辞書を自分で作る感じになりますね。今の所4000~5000語ぐらい記録しています。」

邦丸「よく集めましたね。大変でしょう?」

伊藤「大変ですけどそれが楽しいんです。面白いですよ自分で辞書を作るのは。例えば「〇〇」という言葉は最初草の名前だと思っていたんですが、10年越しぐらいに正しい意味がわかったんです。」

一体どんな言葉なのか?正しい発音や本当の意味がわかったいきさつはradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。伊藤さんも笑った邦丸アナの耳コピ「ムラブリ語」も必聴です。

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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